M&Aでは、ソーシングやデューデリジェンスなど、一般的には馴染みのない言葉が出てきます。ある程度の専門的な用語を知っておかないと、オーナーからは買い手として信頼できないと判断されてしまい、自分の手塩にかけた会社を譲りたくないと思われる可能性が出てきます。
また、M&A仲介の人からも、買収案件を本当に買ってくれるか信用できないと思われ、買収案件を紹介してくれなくなる可能性が出てきます。
よって、M&Aで常識的に使われている言葉については覚えるようにしてください。
初期デューデリでは、詳細なプロフィールを見て、その会社に「本当に買う価値があるのか」を調べます。そして、たしかに価値がありそうだとなれば、売り手側と「基本合意契約(基本合意書)」を結びます。
この基本合意契約が、交際を申し込んで、お付き合いをする約束にあたります。
M&Aのプロセスを結婚にたとえると(2)
お付き合いを始めてから
基本合意契約を結んだら、いよいよM&Aの実行フェーズです。ここでは「本格的デューデリジェンス」や「事業計画作り」などを行います。
M&Aの実行フェーズは、結婚でいうと、結婚を前提にお付き合いをするプロセスです。お付き合いをすることで、相手の人となりに触れ、性格や考え方などを知ります。もし結婚したら、どんな家庭にしたいか、子どもは欲しいかといった話もするでしょう。さらに、結婚後、生活費はどう分担するのか、家事は誰が担うのかなど、将来の生活設計についても話し合います。
M&Aも同様です。本格的デューデリジェンスで詳細な資料をもらったり、オーナーにインタビューをしたりして、より詳しく会社のことを調べていきます。その会社にはどれくらいの利益を上げられる力があるのか、リスクはないのか、その会社にいくらの価値があるかなどを調べます。
さらに会社を買ったら、どのような経営をするのかについて、事業計画にまとめます。同時に、会社を買うための資金調達をする必要もあります。
要するに、この実行フェーズで、「本当に結婚をしたいのか」「本当にこの会社を買うのか」の判断をするわけです。
そこで合意ができれば、結婚では、婚姻届に署名、捺印して、晴れて結婚です。
M&Aでは最後の契約書作り、「クロージング」の作業に移り、細かな条件を契約書にまとめます。その契約書に捺印し、売買代金のやりとりを経て、晴れてM&Aの成立となります。