M&Aのプロセスを結婚にたとえると(1)
お付き合いを始めるまで
M&Aはそれ自体が大仕事なので、どうしてもM&Aをすることが「目的」化してしまいがちです。すると、一番大切なM&A後の会社経営までを考えることがおろそかになってしまいます。
あくまでM&Aは買い手にとって事業を新たに起こすための「手段」ですので、会社を買ったあとの経営統合(PMI:Post Merger Integration)を考えた上で進めなければいけません。
イメージしやすくするために、M&Aは結婚と同然ですから、M&Aの流れについて、結婚にたとえながら見ていきましょう。
結婚をしたいと思ったら、私たちは「こんな人と結婚したい」「こんな結婚生活にしたい」と想像します。M&Aも同じです。
M&Aでも最初に、「どんな会社を買って、どんな経営をしていきたいか」「自分はどのくらいのお金を出せるのか」などを考えます。それが「買収計画」作りのプロセスです。
そして結婚では希望に合う人を探します。結婚相手探しには、友人、同僚、親戚などいろいろなつてを頼るでしょう。最近では結婚情報サービスもありますね。私たちはこれらのさまざまな方法を使って、多くの人と知り合おうとします。
これは、多くの人のプロフィールを手に入れるということです。
M&Aでも同様に、いろいろなつてを使って、できるだけ多くの会社のプロフィールを手に入れます。これが買いたい会社を探す「ソーシング」というプロセスです。
次が、多くのプロフィールを絞り込むプロセスです。よさそうな人をピックアップして、より詳しいプロフィールをもらって検討します。これをM&Aでは「初期デューデリジェンス」といいます。
デューデリジェンスはM&Aでよく使われる専門用語で、対象の会社のビジネスや資産価値について調べる作業のことを指します。略してデューデリ(DD)ともいいます。