外出自粛なしでコロナ対策
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6月19日に、都道府県をまたぐ移動や接客を伴う飲食店に対する営業自粛要請は全国的に解除されたが、第2波と景気の悪化への不安が消えない状況が続く。そうした中で、無理な外出自粛をせずに接触を5割削減する「接触機会5割」を、新型コロナウイルス対策の現実的な出口戦略として掲げるのが、今枝宗一郎衆議院議員だ。「接触機会5割」とは、どのような生活様式を指すのか。そして、経済活動はどのように行いながら、回復させていくべきか。医師であり、自民党新型コロナウイルス対策医療系議員団本部で幹事長を務める今枝議員に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)

命と暮らしの両方を守る
新出口戦略「接触機会5割」とは

――新型コロナウイルス対策医療系議員団本部が提案する「新出口戦略案」は、何を重視して策定されたのか。

今枝宗一郎
今枝宗一郎(いまえだ・そういちろう)
衆議院議員(自由民主党、3期目)。医師。 名古屋大学医学部卒業後、医師として、へき地医療や救急医療、在宅医療に従事。大前研一氏創設の「一新塾」を経て、自民党の公募に応募、2012年12月の衆院選に最年少(28歳)で当選。2017年には財務政務官に就任。新型コロナウイルス対策では自民党の新型コロナウイルス対策医療系議員団本部幹事長を務める。

 私たちの新出口戦略のテーマは、「命」と「暮らし」の両方を守ることだ。今回の新型コロナウイルスは、既往歴のある方や高齢者を除くと、死亡率がとても高い感染症ではないことが分かっている。問題は、医療崩壊が起きれば一気に死亡率が跳ね上がってしまうこと。だからこそ感染者の爆発的増加と、それによる医療崩壊を絶対起こさないことが大切になる。

 一方で、コロナを恐れ、強い外出自粛を行いすぎると、経済や暮らしが成り立たなくなり、最悪の場合、経済死を引き起こしかねない。

 そうした中で、「命」と「暮らし」を両取りするにはどうしたらいいのか。それを突き詰めて考えたのが、接触機会を5割削減する「接触機会5割」という新しい生活様式だ。

 では、なぜ「5割」という数字に定めたのか。1人の感染者が何人に感染させてしまうのかを示す指数である実効再生産数(以下、R値)は、信頼できるデータの中だと日本は3月15日~25日に最高値「2」を記録している。この後、日本で感染が拡大し、緊急事態宣言の発令がなければ、さらに混乱を招いたのはご存じの通りだ。

 しかし、R値が「1以下」になれば、感染者数は増えない。そこで、最高値になったR値「2」を5割にして「1」にすることが大切だと考え、「接触機会5割」という数字を導き出した。