農協の病根Photo:Mateo Miller/EyeEm/gettyimages

584農協を束ねるJA全国組織の会長選挙が幕を開けた。農政改革の後退、金融依存農協のジリ貧、老害リーダーの増殖――。山積する課題を解消できるリーダーが選ばれるのかどうか。JAグループは大きな「岐路」に立っている。特集『農協の病根』は6月22日(月)から28日(日)まで、農協をむしばむ闇を全8回の連載でレポートする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

#1 6月22日(月)配信
JAグループ京都が悪質な「地上げ」、内部資料で分かった農協私物化

農協の病根#1Photo by Hirobumi Senbongi

 JAグループの病根は、腐敗した地方組織を制御できないガバナンスの欠如にある。有力者が組織を私物化し、利益誘導を図るのを上部団体が止めないどころか、お先棒を担いでしまうのだ。その象徴として、京都農協界のドン、中川泰宏氏の一族がJAバンク京都信連から2億円の融資を受け、その資金で行った「地上げ」の実態を暴く。

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#1-2 6月22日(月)配信
【実名告発動画】JAグループ京都会長・中川泰宏一族「地上げ」の実態

農協の病根#1-2Photo by H.S.,JIJI

 JAグループ京都会長、中川泰宏一族による「地上げ行為」を実名告発。中川会長一族は、JA所有の土地をファミリー企業に売却し、その賃貸契約者にさまざまな圧力をかけていることが判明した。その一部始終に動画で迫る。

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#2 6月23日(火)配信
「京都農協のドン」の独裁支配を全解剖、秘密は政界人脈と不動産“錬金術”

農協の病根#2Photo:JIJI

 京都農協界のドン、中川泰宏氏は、25年間JAグループ京都の頂点に君臨する独裁的リーダーだ。なぜ京都農協界は牛耳られてしまったのか。その秘密は、身内と側近で中枢を固める「鉄の結束」と、JAグループの職員を組織的に動員して行う選挙応援などで得た「政治力」にある。JAグループ京都の一族支配の実態を全解剖する。

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#3 6月23日(火)配信
JA全中会長選の“改革派”候補に聞く「無風選挙に出馬した理由」【独占】

農協の病根Photo by H.S.

 全国584農協を束ねてきたJA全中の会長選挙に立候補したJA徳島中央会会長の中西庄次郎氏は、現職会長が決めた会長の定年延長について再検討する考えを示した。農業振興を最優先に組織を抜本的に改革するという。中西氏への独占インタビューをお届けする。

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#4 6月24日(水)配信
溶かした「農家の血税」は10億円、JA全中がシステム開発で痛恨のミス

農協の病根#4Photo:Bloomberg/gettyimages

 全国の農協を牛耳ってきたJA全中が、JAグループ内で追求の矢面に立たされている。きっかけはITシステム開発の失敗だ。全中は10億円もの損失を穴埋めするための費用負担を農協などに求め、猛反発を受けているのだ。巨額損失を生んだ要因とその後の情報隠蔽に迫る。

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#5 6月25日(木)配信
農水省の“別動隊”JA全中の凋落、「選挙と幹部人事」失敗のツケ

農協の病根#5Photo by H.S.

 従来、JA全中は国からヒト、モノ(法律)、カネ(土地)を与えられて生まれた農水省の別動隊だった。戦後は全中・農水省・自民党の「農政トライアングル」が機能し隆盛を誇ったが、今では組織内外から存在意義を問われる事態になっている。全中が凋落した要因を、選挙戦略や幹部人事の失敗からつまびらかにする。

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#6 6月26日(金)配信
JA全農と地域農協の「甘えの連鎖」を断ち切れぬ老害リーダーの無能

農協の病根#6Photo:kyodonews

 JA全農は、連結売上高6.2兆円を誇る国内最大の農業商社で、世界的に名を知られる。だが一皮むけば、農協の老害リーダーの自己保身のために、資産を売却したり、農協の赤字事業を押し付けられたりといった「田舎の論理」に振り回される存在だ。とりわけ長澤豊氏がJA全農会長になってからガバナンスに緩みが生じている。

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#7 6月27日(土)配信
農協の自爆営業から甘い汁を吸い上げるJA共済連「搾取のカラクリ」

農協の病根#7Photo:JIJI

 コロナ禍において農協が、JA共済の推進目標を変えることなく、職員に前年と同じ契約実績を求めている疑いがあることが分かった。民間の大手保険会社が訪問営業を自粛し、営業目標を白紙にして、前年実績で給与保証を続ける中で、農協の保険営業の積極姿勢が際立っている。農協の保険事業は、職員による自爆営業が問題視されてきた。その大元締であるJA共済連による搾取構造を暴く。

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#8 6月28日(日)配信
農協は貯金を集めるな!JAの「陰の司令塔」農林中金が繰り出した最終手段

農協の病根#8Photo by Masaki Nakamura

 農協が集めた預金を運用する農林中央金庫が、運用受託額に上限を設定する方針を固め、農協などと協議を始めたことがダイヤモンド編集部の調べで分かった。マイナス金利政策の長期化で、運用益を農協に還元するビジネスモデルが限界に来ている。農林中金の運用益に依存していた農協の経営はさらに厳しくなりそうだ。事業モデルを変えられない農林中金の苦境に迫る。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

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Key visual by Kaoru Kurata