競馬は参加者にとって非常に不利な「賭け」

 「投機」の代表例として挙げられるのは、競馬や宝くじです。

 競馬の場合、たくさんの人が馬券を買って100億円が集まったとすると、そのうち予想が的中した人に払い戻されるお金は75億円です。25億円は、主催者であるJRA(日本中央競馬会)の取り分となります。

 馬券を買って勝つ人もいれば負ける人もいますが、全体で見れば「競馬の期待収益率はマイナス25%」ということになります。参加者にとっては非常に不利な「賭け」だといっていいでしょう。

 宝くじは、競馬よりも条件が悪い賭け事です。みなさんが宝くじを買ったとして、そのお金のうち50%は運営業者の取り分となっているからです。つまり、「宝くじの期待収益率はマイナス50%」です(下図)。

「投資なんてギャンブルみたいなもの」というのは大きな誤解。本来的な意味での「投資」とはどういうものか?

 もちろん、競馬や宝くじは100%否定されるものではありません。お小遣いの範囲で趣味として楽しむ分には問題ないでしょう。

 しかし、これらのギャンブルでお金を増やそうとするのは合理的ではありません。