テスト前なのに勉強もせずゴロゴロして、スマートフォンをいじっている子どもを見ると、ついイライラしてしまうものです。そして、つい言ってしまいます。
「勉強しなさい!!」
しかし、子どもは親に勉強しなさいと言われるほど、勉強したくなくなる生き物です。「うるさいなあ」と言いながらも机に向かってくれればいいほう。「今やろうと思っていたのに!」と怒りだし、かえって勉強が手につかなくなり、フテ寝してしまう子もいるでしょう。
そんなご家庭に紹介したいのが、『朝15分学習法』です。やり方は、とっても簡単。子どもが朝起きたらすぐに食卓に座らせて、たった15分、学習させるだけ。
用意するのは、消しゴム2個と鉛筆2本でOKです。
これだけで、子どもに学習する習慣がつき、小学校、中学校、高校、大学にあがっても、自ら勉強する子どもに育ちます。親御さんの望む、子どもの学習習慣が手に入れられるのです!
本連載では、延べ6万5000人以上の子どもたちを指導してきた著者が、0歳から大学生までの学習実例をもとに、正しい学習姿勢のポイントをはじめ、お風呂での学習法や、塗り絵を学習に生かすコツなど、子どもの年齢に合わせた学習法を紹介していきます。

2歳からの英語学習で気をつけたいことPhoto: Adobe Stock

今回も「朝15分学習法」を実際に私が教えた生徒さんの事例を交えながら、ご紹介していきましょう。
 ※名前はすべて、仮名です。

英語を聞くことからスタートした、
4歳・朱里(しゅり)さん、2歳・琉々(るる)さん姉妹の場合

 お姉ちゃんの朱里さんは4歳、妹の琉々さんは2歳で、同時に朝学習デビューしました。

 お母さんが英語を学ばせることに積極的だったため、朝学習も英語を聞くことからスタートしました。2歳の琉々さんには早いと思われるかもしれませんが、早くから英語に触れるのは効果的。日本語には日常生活でいくらでも触れられますが、英語は「学習させよう」と思わないと、小さいころは触れる機会が得られないからです。

 効果はすぐに表れました。四足歩行の動物を見ると、普通の2歳児であれば「わんわん」と言いそうなものですが、琉々さんは「bear」(熊)と言いました。四足歩行の動物の認識が「bear」だったからです。

 また、聞いた英語を聞いたまま言うことも、とても上手になりました。日本語の童謡を聞かせていたとき、発声練習などしたことがない幼い琉々さんが、CDと同じような発声で歌うのです。ファルセット(高音に対応する発音技法)まで完ぺきに再現できていたのには驚きました。

 英語学習により言語野が鍛えられたため、英語だけでなく日本語の語彙数もどんどん増え、2歳の時点でまるで小学生のような話しぶりでした。その後、3歳で数書(数を書くこと)を始め、4歳になった今は足し算をすらすら解いています。

 お姉ちゃんの朱里さんは、英語とひらがなことば、数かぞえを同時にスタート。現在小学2年生ですが、英単語はもちろん、英語の文法もすでに頭に入っており、小学校ではみんなのお手本的存在なのだとか。最近彼女が読んでいた本は、江戸川乱歩の『怪人二十面相』(ポプラ社)。小学校高学年ぐらいになって読む本であり、読書レベルの高さがわかります。