「自分の考えや打ち合わせ内容をその場で図解する。このテクニックがあれば、会議、ブレスト、プレゼンが劇的に変わる。考える力と伝える力が見違えるようにアップする」
こう語るのは、アートディレクター日高由美子氏。「フレームワーク」や「キレイな絵」を一切排除し、瞬間的なアウトプット力の向上を徹底的に追求するワークショップ、「地獄のお絵描き道場」を10年以上続けています。複雑なことをシンプルに、難しい内容をわかりやすく。絵心ゼロの人であっても、「その場で」「なんでも」図解する力が身につくと評判になり、募集をかけてもすぐキャンセル待ちに。
本連載は、日高氏の処女作『なんでも図解』のエッセンスを抜粋し、「絵心ゼロの人であっても、伝わる図を瞬時に書くためのテクニック」を伝えるものです。

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「矢印不在の悲劇」とは?

 本日も「文章を図にする」トレーニングをしましょう。今日のポイントは「矢印」。理解を促すパワーアイテムです。

 おおげさなようですが、矢印がなかったら、組み立て家具も作れないし、成田空港にもいけないかもしれません。矢印があれば、複雑な内容でも一瞬で理解できます。

 例えば、次のような一文も矢印を使って図にすればひと目で伝わります。

投資家は企業にESG投資を行い、企業は投資家にリターンを行う

 どんな図になるでしょうか。次の画像を見てください。

 人、システム、データの移動、アクセスの順番、お金の流れ、組織の関係。それらがどんな関係にあるかを伝えたいときに、つなぐ線がただの棒線だったら意味は伝わりません。

 さて、次の文章はどんな図になるでしょうか。

入札者は出品者から発送された商品を受け取り、代金を支払う。オークションサイトは出品者からの出品を受け付け、入札者はオークションサイトに入札価格の提示を行う。出品者と入札者は相互評価を行う

 この文章、もし矢印がないとこうなってしまいます。次の画像を見てください。

 これだとなんのことかわかりませんね。しかし、矢印を使うとグッとわかりやすくなります。次の画像を見てください。

「出品者」「オークションサイト」「入札者」の関係性が一目瞭然になり、「相互評価」ということも矢印ひとつですぐわかるようになります。

 要素を単体で書くだけでは、話の内容をわかりやすく表現するのは難しいです。

 たかが矢印、されど矢印。

 役割を知ればさらに素早くアウトプットできるのです。