バフェット氏は、いわゆるアクティビスト(≒「物言う株主」)ではないし、株式を長期に保有しながら、経営には直接関わらずに投資先企業を応援するタイプの投資家だと考えられている。今のところ、投資された側の商社各社に警戒や反発の動きはない。

 それにしても、「なぜ」、日本の総合商社への投資であったのか。また大手5社への分散投資だったのだろうか。

商社株の7つのキャラクターから
バフェット氏の投資の謎に迫る

 各社に多少の違いがあるとしても、株式市場にあって日本の総合商社株は、「高配当利回り」「割安株」「資源関連株」など複数の特徴で把握されている。これら3つの観点に加えて、「非ESG的銘柄」「コングロマリットディスカウント」という5つの観点から、バフェット氏が日本の商社株に投資をした「謎」に迫ってみたい。

バフェット氏が商社株に投資した理由
(1)高配当利回り株

 現在の株価と予想配当の利回りで見て日本の商社株は配当利回りが高い。業績好調の伊藤忠は3%台だが、これでも平均的な配当利回りよりも高いし、三井物産は4%台、三菱商事に至っては5%台の利回りになる。

 配当利回りが高いことは、「有効な投資機会がないので資金を配当に回している」、「配当の割に投資家に不人気である」といった属性を示唆する。そのため、会社としてあまり格好のいいことではないが、投資家の側から見ると、特に「不人気」という属性は悪くない。

 日本の商社株の配当利回りは、現在1%を大きく割り込んでいる米国の10年国債の利回りよりも有意に高い。しかも、この利回りが円ベースであることを考えると見かけ以上の魅力があるはずだ。しかし、バフェット氏の考え方からすると、「資金を配当して課税されるよりは、事業に有効に投資して複利で増やしてくれる方がもっといい」と考えるはずなので、バフェット氏が配当目当てで日本の商社に投資したとは考えにくい。