さらに続く不貞報道、気になる「五輪内定取り消し」の行方
10月1日発売の週刊新潮では、瀬戸大也がほかにも複数の女性と関係を持っていたことが報じられ、瀬戸大也をめぐる状況はまだ悪化を続けている。そんな中、次に注目されるのは、すでに内定している「東京五輪への出場権」だ。昨年の水泳世界選手権で2種目優勝したのを受けて、瀬戸は日本水泳連盟から「内定第1号」に認められた。果たしてこのまま内定が維持されるのか。ここが現状、最大の関心事といっていいだろう。
テレビのワイドショーなどでは、10月6日に予定されている常務理事会で「競泳チームの主将辞退を受理するかどうか」と併せて、「内定取り消しを含めた処分」が検討されるのではないかと報じられている。騒ぎの大きさ、瀬戸大也に対する失望や落胆と背中合わせの社会的影響を考えると、日本水泳連盟が厳しい処分を下す可能性もあるのではないかと、世間は感じているだろう。
だが、過去の例を見ると、日本水泳連盟がそこまでの処分を下す可能性は低い気がする。
実は競泳日本代表選手の不祥事は、過去にも起きている。リオ五輪に出場して5位、世界選手権では銀メダルを取って東京五輪でのメダルも期待されている男子選手が、代表合宿中に同じ所属チームの後輩選手を殴る事件が、2018年1月に発覚した。この時は所属チームが、約3カ月間の対外試合出場自粛と日本代表活動の辞退、減俸などの処分を下した。日本水泳連盟は、本人が深く反省して相手に謝罪し、当事者同士が和解したことも受け、「被害届が出るような事案でなく、所属先の処分も受けており追認した」とコメントしている(日刊スポーツ)。
2018年9月に、日大水泳部の暴力事件を週刊文春が報じた際も、日大水泳部の監督が被害者の母親を伴って記者会見して事態は収拾された。日本水泳連盟は日大水泳部に報告書の提出は求めたが、日刊スポーツの取材に対して、「基本的に日大水泳部で起こったことなので、(処分は)日大水泳部の決定を見守ることになる。現時点で、連盟が何か処分したりということはないと思います」と答えている。これらの例から推測すれば、日本水泳連盟が厳しい処分を下す可能性は低いのではないかと思う。
瀬戸大也はどうしたら、世間の期待を回復できるのか
今回の件で、思い出すのは、バドミントンの桃田賢斗選手の違法カジノ店賭博問題だ。当初は日本バドミントン協会から無期限出場停止処分を受け、金メダルが高い確率で有望視されていたリオ五輪への出場を断たれた。その後約1年1カ月で処分が解除され、桃田は試合に復帰。その後の活躍は、誰もが知るとおりだ。賭博問題に付随して、スナックママとの写真が流出するなど桃田のイメージは凋落したが、幸い桃田自身が自らの活躍で信頼を回復し、いまは東京五輪での金メダル獲得に向け、大半のファンから応援と期待を受けている。
今すぐに瀬戸が、現在の桃田のように心からの声援を再び受けるのは難しい。だが、来夏の東京五輪で多くのファンが思いを込めて、瀬戸の勝利を願って応援する、見る者が自分の夢を代わりに実現する「もうひとりの自分」を重ねるように瀬戸の勝利を願う…そんな状況は起こりえるだろうか?