「一見それほどでもない症状でも、実は放っておくとこわい症状も少なくないのです。最初は気にもとめないわずかな症状が、放っておくと、取り返しがつかない大病になることもあります」。そう話すのは、テレビでも人気の総合内科専門医・秋津壽男氏だ。体からのSOSサインに気づかず、後悔することになってしまった方をこれまでたくさん見てきたという。秋津医師の新刊『放っておくとこわい症状大全~早期発見しないと後悔する病気のサインだけ集めました』は、まさにこうした病気で後悔する人を少しでも減らしたいという想いから生まれたものだ。9月16日に発売となった本書の内容を抜粋するかたちで、自分や家族の健康チェックに役立つ情報を紹介していく。

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胃の疲れは口にあらわれる

 口の端が切れるのは口角炎といい、関西ではこれを「胃の花が咲く」といいます。胃の疲れが口にあらわれるという意味です。

 口、食道、胃、腸、肛門はすべて1本の消化器官としてつながっています。ひとつが悪くなれば、全体に影響があらわれますが、目に見えて症状が出やすいのが口なのです。

「胃の花」は別名「見張りイボ」ともいわれています。つながっているどこかの臓器に異常があるよ、という見張り番の役割を果たしているわけです。

 とくに、長引く口角炎や口内炎は要注意。たいていは一晩寝たら治るので、それほど長引きません。唾液には殺菌作用があり、免疫物質がたっぷり含まれているので、夜寝ている間に修復されてしまうものです。よく傷につばをつければ治るといったのは、あながちウソではありません。

 ところが、いつまでたっても治らないのは、胃腸の状態が弱っている可能性があるからなのです。原因は胃腸の疲れなので、そこを治さない限り「胃の花」や口内炎はなかなか治りません。

 症状が長引いて、なかなか治らない場合は、原因である胃や腸の状態がかなり弱っている可能性もあります。放っておくと、胃炎から胃潰瘍、胃がんへと進み、腸の不調から大腸がんになる可能性もあるでしょう。

 口角炎が出るようなら、胃腸にストレスがかからないよう、消化のいい食べ物をとり、刺激物は避け、睡眠をしっかりとるよう心がけましょう。

(本原稿は、秋津壽男著『放っておくとこわい症状大全』からの抜粋です)