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新型コロナウィルスの影響で外出時間が減った今年、なんとなく日々重たいような気分を感じているという人も多いのではないだろうか。そんな中、世界最高の創造集団IDEOのフェローによるきわめて画期的な本が上陸した。『Joyful 感性を磨く本』(イングリッド・フェテル・リー著、櫻井祐子訳)だ。
著者によると、人の内面や感情は目に映る物質の色や光、形によって大きく左右されるという。つまり、人生の幸不幸はふだん目にするモノによって大きく変えることができるのだ。
本国アメリカでは、アリアナ・ハフィントン(ハフポスト創設者)「全く新しいアイデアを、完全に斬新な方法で取り上げた」、スーザン・ケイン(全米200万部ベストセラー『QUIET』著書)「この本には『何もかも』を変えてしまう力がある」と評した他、アダム・グラント(『GIVE & TAKE』著者)、デイヴィッド・ケリー(IDEO創設者)など、発売早々メディアで絶賛が続き、世界20ヵ国以上で刊行が決まるベストセラーとなっている。
その驚きの内容とは? IDEOで学んだ「美学」の秘密とは? 本書より、特別に一部を紹介したい。

IDEOで知った「人を変える」ものたち

 本書がめざすのは、いまあなたがいるその場所に、より多くの喜びを見つけてもらうことだ。

 本書のこれからのページで、建築家やインテリアデザイナー、カラースペシャリスト、園芸家、キルト作家、日曜大工愛好家、フラワーデザイナー、バルーンアーティストなどのすばらしいアーティストやデザイナーに出会い、物質世界のあらゆる面に喜びを見つけ、つくりだすための秘訣を学ぼう。

 また、コテージやキャンピングトレーラー、リビングルーム、オフィスの個人スペース、歩道、娯楽センターなど、自宅や地域社会の空間で喜びを生み出している市井の人々のことを知り、ほんの少しの変化によって、何でもないものや場所を、とてつもない喜びで満たす方法を見ていこう。

 喜びあふれる世界は、あなたの手の中にある。何かのメソッドを学ぶ必要もないし、規律正しい習慣もいらない。必要なのはあなたがいま持っているものだけ──身のまわりの喜びを進んで発見しようという意欲さえあればいいのだ。

 イノベーションで名高いデザイン会社IDEO(アイディオ)でデザインディレクターとして働いた年月と、私的な活動、またデザインブログ「喜びの美学」の運営を通じて、私はものの美的特性が、人々の考え方や行動を外側から変える様子を目の当たりにしてきた

 こうした美的特性を知ることによって、なぜ活気に満ちた店やレストランがある一方で、ひっそりと静まりかえった店があるのかを理解できる。

 またなぜ不安をかき立て、競争心をあおる環境がある一方で、にぎやかで温かい環境があるのかもわかる。飛行機の殺風景な客室で、人々がどうふるまうかを考えてみよう。座席の背もたれのリクライニングをめぐって喧嘩になったり、ひじかけの支配をめぐって小競り合いが始まったりする。

 では、和気あいあいとした雰囲気の音楽祭で、人々はどうふるまうだろう。楽しげな装飾や音楽に囲まれて、食べ物や飲み物をシェアし、新しく来た人のために芝生の場所を詰め、見知らぬ人と踊る。

「喜びの美学」には、無意識の心に直接訴えかけ、気づきもしないうちに私たちの最善の部分を引き出してくれる力があるのだ。