景気が悪くなったときに
投資を始めるのは正解

景気が悪化しているときに株式投資をはじめるという考え方は、目の付け所が良くて正しいと思います。

実際、株価が下落した今年2月後半から、多くの証券会社で新規口座開設数が増加したそうですから、「今が投資のチャンスだ」と考えて株式投資をはじめた人が多かったのでしょう。

ただし、景気の底に達してから反転するまで1~2年かかる可能性もあります。

そうなれば、景気の底から反転するまでに膨らむ保有株の含み損に耐えかねて損切りしてしまい、相場から退場しかねません。

そうならないように、少なくとも余裕資金を一度に全額投入することは、手控えたほうがいいと思います。

一方、保有株を天井でピンポイントに売るというのも至難の業です。

私は2008年のリーマンショックの際、非正規雇用の労働者の雇い止めが発生しているのを見て、株価が大幅下落していた業務請負の銘柄を買いました。

その後の景気回復の過程で、その銘柄の株価は50倍くらいまで上昇したのですが、私は底値から株価が2倍くらい上昇したところで利益確定してしまいました。

底値と同じく天井の株価も事前に予測することはできませんし、その時点で「いまが天井だ」とわかるものでもありません。

結局、底値も天井も、後からふり返ってわかるものなのです。

だからこそ、株価が上昇して、ある程度含み益が膨らんだところで、利益確定したいという誘惑に駆られるのです。

やはり、底値で買って天井で売り、最大限に儲けようというのは難しい。

言うは易し、行うは難し、なのです……。