病気を遠ざける「免疫力」は腸で作られるため、腸内環境をよくする食品をとることが重要、というのは、81歳の免疫専門医である藤田紘一郎氏の弁。いわく、健康長寿のために勧める食品には、野菜、発酵食品、肉や魚の骨から出るだしなど。それらの食品をスープでとるメリットは、体調が悪くても年をとっても体に吸収しやすいことです。
ウィズコロナの時代を生きるすべての人に手に取っていただきたい最新刊『免疫専門医が毎日飲んでいる長寿スープ』では、著者自身も毎日飲んでいる究極のスープはじめ、おいしく続けるための73レシピを紹介している。
この連載では、自分で免疫力を高める食事の法則や、著者が勧める『長寿スープ』のレシピなどをお伝えしていきます。
善玉菌のパワーで
免疫細胞活性化!
腸内環境を改善するためには、野菜の食物繊維やフィトケミカルのほかに「発酵食品」も重要な役割を果たします。発酵食品といえば、ヨーグルトや納豆がその代表格。また日本人には身近なみそ、しょうゆ、酢、日本酒、ぬか漬けなどの漬けものも、発酵食品の仲間です。これらはおなじみの善玉菌=乳酸菌を多く含みます。腸内で善玉菌が優位に立てるように、こうした食品をたっぷりとって、腸の健康をサポートしましょう。
植物性の発酵食品は、動物性の発酵食品よりも胃酸に強く、生きたまま腸に届きます。ぬか漬けや納豆は、日本人の腸とも相性がいいので、腸内でよりしっかり働いてくれます。もちろん、動物性の発酵食品であるヨーグルトやチーズも相性がよければきちんと腸まで届きます。生きたまま届かなかいとしても、善玉菌のえさとなって腸内環境を整えるので、ムダはありません。発酵食品の乳酸菌をパワーアップさせるには、乳酸菌のよいえさとなるオリゴ糖を一緒にとるとよいでしょう。大豆や玉ねぎ、ごぼうなどに多く含まれます。
腸の健康状態をチェック
あなたの腸の状態をチェックしてみましょう。あてはまる□に✔を入れてみてください。
□生活が不規則である
□疲労がたまりやすい
□運動不足
□喫煙習慣がある
□夜更かししがち
□深酒しがち
□ストレスが多いと感じる
□野菜不足
□脂肪のとりすぎ
□糖質のとりすぎ
□お腹が冷えている
□睡眠不足
いかがでしたか?
これらはすべて腸のなかで悪玉菌が優位になる生活習慣です。
12項目のうち3個以上あてはまる場合は、生活のリセットが必要です。
本原稿は、藤田紘一郎著『免疫専門医が毎日飲んでいる長寿スープ』の第1章からの抜粋です。『免疫専門医が毎日飲んでいる長寿スープ』では、腸内環境を整えて免疫力を高める「長寿スープ」のレシピがたっぷり収録されています。ウィルスが蔓延するこの秋冬、免疫力を高めて病気にならない体を手に入れてみませんか?(次回へ続く)
1939年、旧満州生まれ、東京医科歯科大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科修了、医学博士。テキサス大学留学後、金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学教授を経て、現在、東京医科歯科大学名誉教授。
専門は、寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、日本寄生虫学会小泉賞を受賞。2000年、ヒトATLウイルス伝染経路などの研究で、日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。
おもな著書に、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)、『脳はバカ、腸はかしこい』(三笠書房知的生きかた文庫)、『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』『人の命は腸が9割』『ヤセたければ、腸内「デブ菌」を減らしなさい!』『免疫力』(以上ワニブックスPLUS新書)などがある。