(2)「対ヒト型」こだわり上司

 普段はそれほど細かくないのだが、一見、どうでもよいようなやりとり、たとえば先方に出す文章の一字一句の選定や、食事会をこちらから先に誘うべきか先方から誘わせるべきかといった設定、接待のお店、会議に出席するメンバーの選択や席順、議題の順番といったコミュニケーション上のささいなことにこだわる。

 なぜそこまで細かいことにこだわるのかは、実はよく分からなかったりするし、そんなことのために時間をかけるのもばからしい気がする。しかしながら、このようなことにこだわる上司は、妥協せずに細部まで詰めようとして譲らない。

(3)「なんでも型」こだわり上司

 完璧主義である。誤字脱字の指摘から、スケジュールの無理そうなところ、数字の不確かなところ、なんでもすぐに発見して指摘する。それにとどまらず、実現可能性の低い思いつきを言ったりすると、そのような態度自体をたいへん強く非難する。

 全てをコントロール下に置き、完全にミスなく遂行することに生きがいを感じているように見える。一緒に仕事をするといろいろ勉強にはなるものの、アバウトなタイプの人にとっては、もっとも上司に持ちたくないタイプだろう。

細かい上司のタイプを見分ける
たった一つの簡単な質問

 これらのタイプの違いは自明とも思えるが、念のため、上司が(1)~(3)のどれにあたるかを見極めるためには、以下の質問をしてみるとよい。

「さすがですね。○○課長のこだわりは、最終的にどのあたりに効いてくるのですか」

(1)「対コト型」こだわり上司の答え

 質問には直接答えず(られず)、延々と自分のマニアックな話を展開するだろう。これは、止めようと思っても止められない。多くの人には何を言っているのか分からない話を自分勝手にするから、タイプ1の「対コト」型上司であることは簡単に分かる。なお、この「対コト」型の細かい上司は、仕事と自分のこだわりポイントが重なった場合には誰もがなり得るので、注意が必要だ。

 たとえば、宝塚歌劇団には組が5つあるというのも一般の人にはどうでもよいことだ。さらには、その組の名前を言うときには、必ず、花・月・雪・星・宙の順番で言わなければならないという決まりがあるということも、さらにどうでもよいことだが、違う順番で発言すると上司からこっぴどく怒られるかもしれない。