日本を支えてきた団塊の世代も、今や70代。
まだ先は長いとはいえ、「死」が頭をよぎるのも、また現実。
さて、いかにして人生をまっとうするか。
どんな肩書きも外して、「死ぬまで上機嫌。」がいちばんいい。
人生は考え方次第。
苦労の多い人生だったとしても、
「まあ、これでいいか」
と思えれば、万事解決。
終わりよければすべてよし、なのだ。
新型コロナウイルスの感染拡大を経験するなど、
「いつ死んでもおかしくない」という状況を目の当たりにしている。
ただ、いつ死ぬかわからないからといって、怯えてばかりいても仕方がない。
どんな状況を目の当たりにしても
「まあ、これでいい」「こういうこともあるだろう」
と鷹揚に受け入れられる自分でいたい。
そして、『死ぬまで上機嫌。』でいたい。
漫画家・弘兼憲史が「そのとき」が来るまで、
存分に人生をまっとうする上機嫌な生き方を指南する。

漫画家・弘兼憲史が教える<br />「8割が認知症の現実」Photo: Adobe Stock

8割の人は認知症で晩年を生きることになる

ここ数年、「人生100年時代」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。

「人生100年時代」が、流行語大賞にノミネートされたのは2017年のことです。

政府も「人生100年時代構想会議」を設置し、人生100年時代を見据えた議論が活発化しています。

人が100歳まで当たり前に生きるようになると、どうなるのか。

日本でもベストセラーとなった『LIFE SHIFT──100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著/東洋経済新報社)という本では、人生100年時代が到来すると、「ライフステージ」が大きく変わると予想しています。

例えば、時代の変化とともに、若いときに身につけた知識やスキルが通用しなくなるので、一生のうちに何度も違う職種を経験するようになる。

80代になっても当たり前のように働くなどです。

同書には「2007年にアメリカやカナダ、イタリア、フランスで生まれた子どもの50%は、少なくとも104歳まで生きる見通しだ。

日本の子どもにいたっては、なんと107歳まで生きる確率が50%ある」と書いてあります。

ただ、僕ら団塊の世代に限っていえば、元気に100歳を迎える人は一部にとどまると考えています。

僕がお世話になっている主治医の先生は、「90歳を超えると、どんなに健康な人でもガタッと衰えがくるものだ」と話していました。

100歳まで生きる人でも、90代までゴルフやお酒を楽しめる人はごく一部であり、8割は認知症の状態で晩年を生きることになるというのです。

確かに僕の周りを見回しても、大きく外れていない指摘だと思います。

【次回へ続く】

漫画家・弘兼憲史が教える<br />「8割が認知症の現実」