2019年に中国で発生した新型コロナウィルス(COVID-19)は、2020年に世界中で大流行し、いまだに収束する気配がない。
日本政府はGo Toキャンペーンに熱心だが、季節が冬に向かうのに合わせてか、感染者が激増している。
ヨーロッパでは再びロックダウンに踏み切る地域も出てきた。
経済アナリストであり、歴史にも詳しい中原圭介氏は、この状態が長引く、あるいは収束してもすぐに次のウィルスが現れると読む。
つまり我々は、ウィルスと共存する時代を生きていかねばならないのだ。
我々はこの困難な状況の中でいかにして経済を立て直していくべきなのか?
中原圭介氏の最新刊である『疫病と投資』から一部を引用し、考えてみたい。

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アジアとヨーロッパでは
ウイルスのゲノムが違う?

新型コロナについて、ひとつだけ注意しなければならない点があります。

それは、アジアで流行したウイルスとヨーロッパで流行したウイルスは、同じCOVID‐19でも毒性や感染力が違うということです。日本をはじめとしてアジア全体に広がったものをアジア型、ヨーロッパで広がったものを欧州型として分類すると、欧州型はアジア型よりもはるかに毒性や感染力が強いと考えられます。

メディアでは、「日本は手を洗う習慣がある」とか「綺麗好き」、「キスやハグをする習慣がない」といったことを理由に挙げて、日本が感染を抑え込んだなどと賞賛する報道もありましたが、専門家の間でこれを真に受けている人はいません。要するに、日本で蔓延したCOVID‐19はアジア型だったので毒性が弱く、したがって死に至る人が少なく抑えられたということです。

専門家に言わせると、どうやらウイルスのゲノムが違うらしいのです。現在、生命情報科学を専攻している情報工学者が中心になって、世界各国でウイルスのゲノム配列に関する分析が進んでいるそうですが、最新の報告では新型コロナウイルスは3つのグループに分類されるそうです。

武漢から広がったのが原型で、これが変異してアジア型になり、中国や日本、米国やオーストラリアの一部に広がりました。このアジア型がヨーロッパに入り込んだ際の窓口になったのが北イタリアでした。というのも、ヨーロッパ各国で中国と最も経済的な結びつきが強かった国はイタリアだったからです。

このイタリアでCOVID‐19のゲノム配列が突然変異を起こして、欧州型になりました。欧州型の毒性と感染力は非常に強く、ヨーロッパ全域だけでなくアメリカ、ブラジルへと広がっていきました。

まだまだ解明されていない点はありますが、日本にとって一番避けなければならないのは、欧州型が入ってきて、それが蔓延することです。すでに一部には欧州型が入ってきたという話もありますが、現時点ではそれが日本全国に広がった形跡は見られていません。

現状、日本で発見されたCOVID‐19のうち15%が欧州型だと言われています。これをどうやって広がらないようにするかが、日本にとって大きな課題といえるでしょう。今の日本で重症者数や死亡者数が少ないからといって、油断は禁物なのです。

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