新サービスはスピード重視で先行者利益を獲得せよ

──今のところ、他にも広げてみようと思っているものはありますか?

やしろ 今のところはまだありません。とりあえず、インスタとYouTubeを伸ばしていこうかなと。ただ、新しいサービスやSNSはどんどん増えてきているので、常にアンテナを貼っておこうとは思っています。

 新サービスができたら、とりあえずすぐにアカウントをつくる、というのはものすごく大事だと思っています。SNSとか新サービスって、やっぱり最初にはじめた人が一番強いんですよね。LINEスタンプとかも、最初に売り出した人が売れてるんですよ。スタートダッシュで乗り遅れると、あとから参入しようとしても難しいので、とにかく新しいものには常にアンテナを貼っておいて、人を使ってでもいいからスピード重視で参入するようには心がけています。

──新しい島に乗り移るとき、研究はされていますか?

やしろ 研究している時間はもったいないですよ。とりあえず、まずは乗り移る。やる前に考えてたら、他の人たちがどんどんやってきて間に合わない。だから、最初はとにかく裸で島につっこんでいって、自分でその島を荒らしまくったほうが面白いんじゃないかなと思っています。だって、新しいサービスで失敗しても別に誰も何も言いませんからね。

世界一になったのに、どん底を味わった僕がみつけた「SNSの法則」

いつ逃げても大丈夫なように、複数の島を育てる

──これからの時代、フリーランスとして生き残るには、どんな備えをしておくべきだと思いますか?

やしろいつでも逃げられる準備をしておく」って大事だと思うんです。この本のなかでも散々「嫌なことからは逃げろ」と言い続けてきましたが、「絶対に逃げてはいけない、ここは両脚をマントルくらいまで深くブッ刺して踏ん張らねばならぬ!」という状況は必ずきますよね。人生において、「絶対に逃げてはいけない場面」ってあると思うんです。

 ただ、「逃げる」コマンドを封印してきた真面目な人たちは、いざそういう場面に立たされると、ブツっと糸が切れたかのように、その「本当に逃げてはいけない状況」から逃げてしまう、というのをよく目にします。

 しかも、今後修正のきかない、取り返しのつかない逃げ方をしてしまったりするんですよね。おそらくそれは、今までうまく「逃げる」コマンドを使えていなくて、精神や体力を消耗し、いざ「絶対にふばらなきゃいけない局面」がやってきたときに、立ち向かえるような気力が残っていないからだと思うんです。

 本当はもっと前から逃げることができたはずなのに、どうすれば逃げられるんだろう? そもそも本当に逃げていいんだろうか? と考えているうちに、時間ばかりがすぎて、気づいたときにはどうしようもない状況に陥っていた、とか……。そうなったら、もう再起すらできないかもしれない。

 だから僕も、そうならないように、逃げる準備をしてるんです。いくつかの島を育てておいて、一つの島が沈没してしまったら、他の育てておいた島に移住できるようにしておく。これからの時代、そういうたくましさが必要なんだと思います。

 だから、今働いていて、「自分、このままでいいのかな?」と思う人がいたら、今考えている選択肢のひとつに、「逃げる」というコマンドを加えてみたらいいんじゃないかな、と。会社員の人なら「転職してみる」とか「副業してみる」とか、フリーランスの人なら「別の島を開拓する」とか。ちょっと横目をそらして、別の選択肢を考えられる余白を、心のどこかに持ってもらえたらな、と思っています。

【大好評連載】
第1回 「ブラック企業の渡り鳥になる人」が陥るたった2つの共通点
第2回 「”働くこと”からバックれ続けた僕」が見つけた仕事の正体
第3回 「自分には何が向いているんだろう?」と思う人に”突然月収500万”になった僕が伝えたいこと
第4回  世界一になったのに、どん底を味わった僕がみつけた「SNSの法則」

世界一になったのに、どん底を味わった僕がみつけた「SNSの法則」