リファラル採用の進め方

 リファラル採用の進め方は下図表の通りだ。

 まず、規定の更新をする→インセンティブの設計をするなど「リファラルの設計」を行う→ペルソナレベルで欲しい人材を洗い出す「キックオフ」を行う→ストーリーブックを作り自社の魅力化を行う→採用したい候補者のロングリストを作り込む→ショートリスト化する「アタックリスト作成」を行う→ターゲット人材にアプローチする(きちんとリファラル採用ができているかリマインド・モニタリングする)→活動を振り返って、うまくいった点、課題点を明確にし、うまくいったものは事例化して横展開する、このような流れになる。

 リファラル採用を成功させるには、メンバー一人ひとりが、会社の情報発信者になる必要がある。情報発信するには、プロダクトや業界について語るだけでなく、自社のMVVについてまず心から共感することが大事だ。その上で「自分が一緒に働きたい」と思う人に対して、メッセージを発信して、採用活動を進めていく

 リファラル採用を行うメンバーも、「なぜ、自分はこの会社で働いているのか」「なぜこの環境にいると成長できるのか」「なぜ、この会社に貢献したいと思うのか」ということを定期的に言語化を行う

 メルカリやfreeeなどは、積極的にリファラル採用を行い、多くの採用に至っている。それがメンバーのカルチャーフィットやエンゲージメント向上に注力しているからだろう。

 リファラル採用のリスクとしては、優秀なプレーヤーが来ない可能性があることは頭に入れておきたい。Aプレーヤー、Bプレーヤー、Cプレーヤーは来るが、なかなかA+級のプレーヤーが来ないのだ。これは、紹介者が自分より優秀な人は連れてきたくないという思考が無意識に働くために起こることだ。

 もう一つ実務上の留意点として、報酬が発生する場合は就業規定や賃金規定を明記しておかなければコンプライアンス違反になる可能性があるので注意が必要だ。インセンティブは、金銭的な報酬よりも、「採用に成功したら、その部署全員で、焼肉を食べにいく」というような非金銭的な報酬を決めるとよい。