ところがメディアの注目を集めたのは、なんともお粗末な書面のスペルミス。それもひとつふたつではない。トランプの妄言に愛想を尽かした弁護士5人が突如離脱した直後の急ごしらえの弁護チームだけに慌てていたのだろう。
とりわけ冒頭の宛名にある合衆国「United States(ユナイテッド・ステーツ)」を「Unites States(ユナイテス・ステーツ)」と間違えたのは致命的。自国の名前もまともに書けないのかとソーシャルメディア上にトランプ弁護団をからかうコメントがあふれた。
とくにワシントン・ポスト紙のフィリップ・バンプ記者の皮肉を込めたコメントは秀逸だった。
「書面の内容に興味のある人に教えましょう。内容も(スペルミスと)同じようにお粗末です!」
弾劾裁判が無罪でも
刑事訴追が始まっている
それとは対照的に、下院が提出した審判請求理由の書面は理路整然としていた。
「(トランプは)暴徒を呼び集め、議会襲撃をあおった。その後に起こった全てのことの責任は彼にある。(トランプ)大統領なくして一連の事態は起きなかった。大統領は即座に、力強く介入して暴力を止めることもできたのに、そうしなかった」というリズ・チェイニー下院議員(共和党会議議長)の言葉も引用されていた。
チャック・シューマー上院院内総務(民主党)は議会での演説の中で「この国に癒やしと団結をもたらすためには、真実が示され、説明責任が果たされる必要がある。この弾劾裁判は、そのためのものだ」と述べた。