現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

「油は健康に悪い」<br />「カロリーが高くて太る」<br />と思っていませんか?Photo: Adobe Stock

毒になる油から、薬になる油に代える

長い間「油は健康に悪い、カロリーが高くて太る」と思われてきましたが、それはいまや、あまりに乱暴な古い常識です。

そもそもカロリーとは、3大栄養素と呼ばれるたんぱく質、糖質、脂質が生み出すエネルギー量のことで、この3つがどれだけ含まれているかで計算されます。それぞれの栄養成分の1グラムあたりのエネルギー量(カロリー)は、たんぱく質が4キロカロリー、糖質が4キロカロリー、脂質が9キロカロリーです。つまり脂質は他の2つに比べて倍以上のエネルギーとなり、この1グラムあたりのカロリーの高さが、飽食の現代では悪者扱いされがちな理由だと思います。

しかし脂質は少量でもエネルギーを摂取できるので、食が細い人には絶好のカロリー源になりますし、体じゅうの細胞の細胞膜や各種のホルモン、核膜などの材料となります。ビタミンA、D、E、Kといった脂溶性ビタミンの吸収を促進する働きもあります。皮下脂肪として溜まった脂質には、寒さから体を守る機能もあります。油はすべてダメと思い込んでしまうと、必要な油分が不足しかねませんから注意が必要です。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
「油は健康に悪い」<br />「カロリーが高くて太る」<br />と思っていませんか?

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。