現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

毒になる油を避けて、<br />脳を救う油をとる<br />もっとも簡単な方法とは?Photo: Adobe Stock

アマニ油やえごま油を
1日にスプーン1杯とる習慣

毒を作らない、脳や体の炎症を防ぐという観点からすると、近年、脚光を浴びているオメガ3、オレイン酸が豊富なエクストラバージンオリーブオイル、中鎖脂肪酸が主成分のココナッツオイルやMCTオイルがよい油になります。

オメガ3に分類されるものには、アマニ油やえごま油に含まれるα‐リノレン酸と、魚類に含まれるEPA・DHAがあり、どちらにも炎症を抑制する働きがあります。ただし加熱すると酸化するので、アマニ油とえごま油は生野菜や豆腐、加熱調理がすんだ料理などに少量をかけて加熱せずにとります。魚に含まれるオメガ3についても、焼いたり煮たりすると酸化するので、刺身などで生食するのがベターです。

アマニ油、えごま油、ココナッツオイル、MCTオイルのどれかを、加熱しないで1日にスプーン1杯とることを習慣にしてください。アマニ油は少しえぐみがあり、えごま油は魚の脂に近い味がします。好みで使い分けるとよいでしょう。開封すると酸化していきますので、茶や緑色の遮光びんに入っていて1~2ヵ月で使い切れる量のものを選んでください。そして開封したら冷蔵庫で保存します。

オリーブオイルは酸化しにくく、脳の炎症を抑えるオレオカンタールという成分が含まれており、抗酸化成分が豊富な点が秀逸です。加熱しても酸化しにくいので毎日の料理に使いやすく、保存性もあります。また、体内でも酸化しにくいので発がんの恐れがある過酸化脂質も作りにくいのです。オリーブオイルにはエクストラバージンオリーブオイル、ピュアオリーブオイルなどの種類がありますが、加熱処理や化学的処理をせずに出荷されるエクストラバージンオリーブオイルを選んでください。

ココナッツオイルの主成分である中鎖脂肪酸は、中性脂肪になりにくいという特徴があり、肥満予防にも役立ちます。

ココナッツオイル特有の甘い香りが苦手な人にはMCTオイルがおすすめです。MCTとは、そのものズバリ中鎖脂肪酸のこと。英語のMedium Chain Triglycerideの頭文字です。1日の目安はスプーン1杯程度。加熱調理には向きません。無味無臭でクセがありませんので、料理にかけたり、コーヒーなどに入れてとるとよいでしょう。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
毒になる油を避けて、<br />脳を救う油をとる<br />もっとも簡単な方法とは?

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。