ハーバード不動産投資授業のDay1

 さっきまでクラスの同級生とのたわいもない会話で溢れかえっていた教室に一瞬の静寂が訪れる。ハーバード大学デザイン大学院(GSD)共同代表のリチャード・パイザー名誉教授が教室に入ってきて、堰を切ったように生徒にまくし立てる。

・Total Development Cost(総開発費用)はいくら?
・この物件のNOI(実質収益)は?
・Cap Rate(期待利回り)は?
・それで最終的なValuation(不動産評価額)はいくらか?

 前日まで慣れない横文字と格闘しつつケース・スタディを頭に詰め込んだ僕は少々面くらいつつも、その横で世界中から来ている同級生が次々と教授の問いに答えてゆく。

 尻込みしている生徒にも容赦なくコールドコール(背筋も凍る名指し質問)が飛んでくる。

 ・では、OPEX(賃貸運営経費)をマサはどう考える?
 ・君ならこの物件に投資をするのか?
 ・投資に「ゴー」なら、どのようにValuation(不動産評価額)を上げて利益を出すのか?

 もし上に挙げた全ての横文字専門用語での質問に答えられるようなら、おめでとう!

 あなたはパイザー教授の授業を少なくとも単位取得できるだろう。そして、この準備体操は卒業してもらって構わない。