追跡期間中に3万3,898人が死亡していた(女性1万8,793人、男性1万5,105人)。解析の結果、全死亡率が最も下がるのは1日に約5サービングの野菜と果物の摂取の場合であり、摂取量がそれ以上増えても全死亡率がさらに低下することはないことが明らかになった。また、5サービングの最適な配分は、野菜3サービング、果物2サービングであることも判明した。さらに、1日の果物と野菜の摂取量が5サービングの人では、2サービングの人と比べて、全死亡リスクが13%、心血管疾患や脳卒中による死亡リスクが12%、がんによる死亡リスクが10%、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患による死亡リスクが35%、それぞれ低かった。
ただし、こうしたベネフィットを得るために摂取する野菜や果物は、何でも良いわけではない。野菜であれば、ほうれん草やレタス、ケールといった葉野菜、果物であれば柑橘類、ベリー類などのベータカロテンとビタミンCが豊富なものの摂取がベネフィットをもたらす。その一方で、ジャガイモやトウモロコシ、豆類などのでんぷん質の野菜、フルーツジュースなどは、全死亡や特定の慢性疾患のリスク低下とは関連していなかった。
Wang氏は、「米国心臓協会(AHA)などの団体は、果物と野菜を1日4〜5サービング摂取するよう推奨している。しかし、最適な1日の摂取量や、摂取すべき食品と避けるべき食品について消費者が受け取る情報は、これまで一貫しているとは言いがたかった」と指摘する。その上で、「今回の研究により、主要な慢性疾患の予防に役立つ、1日に摂取すべき野菜と果物の量だけでなく、摂取すべき種類についても明確になった。この量なら、誰でも比較的容易に達成できるだろう」と述べている。(HealthDay News 2021年3月1日)
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