人間関係の悩みやストレス、不安を抱えている人は多い。「緊張で心臓のドキドキが止まらない」「失敗したらどうしようと不安になる」「本番に弱い自分が嫌いだ」、そんな自分を変える元刑事のメンタル強化術『刑事(デカ)メンタル 絶体絶命のピンチでちびってしまう人でも動じないハートが手に入る!』を紹介。刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による「心を強く保つ習慣」です。常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる最強メンタルメソッドを手に入れてください。

刑事が実践している、プレッシャーを解消する方法Photo: Adobe Stock

弱みをさらけ出してしまったほうが
人は強くなれる

 刑事の仕事は常にプレッシャーとの戦いだ。実は検挙件数、検挙率、事件の抑止件数などいわゆるノルマによるプレッシャーもある。ちなみにノルマとは聞こえは悪いが、業務の目標のことだ。警察の仕事はすべて数値目標で管理されているのだ。

 特にオレが中間管理職のときは、本部の監察からノルマを定期的に精査されるつらい立場だった。そんなプレッシャーから解放されるためにどうしたか?

 簡単だ。「弱みを口にしてぶちまけてしまっていた」のだ。

 もちろん相手は誰でもいいわけではない。実情を理解している信頼できる部下にだけ自分の弱みをさらけ出した。

「参ったな、ノルマに足りないぞ」
「どうしたらできるんだ?」
「数字が高すぎるぜ」

 弱みをぶちまけるだけで気持ちは楽になった。そして気も大きくなった。

 プレッシャーに弱い人は、自分の弱みを「隠そう隠そう」とする。弱みをさらけ出すと、自分が不利になるような気がするが、実はその逆。弱みをさらけ出してしまったほうが、人は強くなれるのだ。これは心理学用語でアンダードッグ効果という。人の弱音を聞くと回りの人は応援したくなる現象のことだ。キミが弱音を吐けば周囲の人はキミのために少しは応援してくれるだろう。キミもプレッシャーを感じたらぶちまけろ。つらい心の内が解放され、楽になるぜ!