終息の気配がない「コロナ禍の時代」。日常が、じわりじわりと脅かされる不安な時代ともいえます。クレームの現場でも同じです。悪意のあるモンスターの代表格とも言えるヤクザも「属性」を隠しながら目には見えない形で私たちに忍び寄ってきます。知らず知らずのうちに感染すれば(関わりをもてば)、突如として牙をむいて襲い掛かってくるのです。
実はクレーム対応の現場で“輩”の手口から学ぶべき点が多いのも事実です。そこで今回は、これまで私が体験した事例を再現し、検証しながら「相手のクレーム内容(気持ち、真意)が把握できない局面での対応」について考えていきたいと思います。
相手の悪質性(黒色)がすぐに見極められない“グレーゾーン”に分類されるクレームへの対応は、コロナ禍の現在、ますます増加傾向にあります。つまり、グレーゾーンのクレームへの対応はこれからの時代に不可欠なスキルなのです。世の中の重大事件や身近なトラブル、クレーム対応の失敗事例を「他山の石」として、イザというときに自分ならどうするかを考える癖付けをしておけば、対応力の幅が大きくなってくるのです。
新幹線の車内
通路を挟んだ隣が“輩”だった時
今回は、私が実際に体験した新幹線でのできごとをケースとして取り上げます。