損保プロ代理店の統合・再編は長らく損保業界の課題であり、試行錯誤を繰り返してきたが、決め手に欠けるのが現状だ。そうした中で、東京海上日動火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が、新たな制度を導入しようとしていることが分かった。特集『保険の裏 営業の闇』(全21回)の#4では、その新制度の中身に迫る。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
東京海上・あいおいがひそかに進める
損保プロ代理店向けの新制度
「恵比寿が思い切った代理店施策に動くらしいね」「丸の内も新しい制度を導入するらしいよ。TQ制度はどうなるんだろう?」
昨年末あたりから、損害保険業界の長年の課題である損保プロ代理店の統合・再編を巡る話題で、にわかに騒がしくなってきた。
損保の国内事業の過半を占めるのが自動車保険、次いで火災保険と続くが、この2種目で売り上げの約7割を占めている。その主力の自動車保険の縮小が目前に迫っているのに加え、自然災害の増大で火災保険は大赤字だ。損保にとって、プロ代理店を含めた事業の効率化は待ったなしの状況にある。
もっとも、損保プロ代理店の統合・再編に取り組むのは、今に始まった話ではない。最適解を導き出そうと長年もがき苦しんできた。そうした中で、損保大手2社が新たな施策を導入しようとしていることが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。
それが冒頭の損保2社で、恵比寿というのは、あいおいニッセイ同和損害保険のことで、丸の内というのは東京海上日動火災保険を指す。損保業界は社名の代わりに本社所在地で呼び合うことが多く、三井住友海上火災保険は御茶ノ水、損保ジャパンは新宿といった具合だ。
つまり、あいおいと東京海上の2社が新たな制度を導入しようとしているわけだ。では、その中身とはいったい何なのか。