『サラリーマンこそ自分株式会社をつくりなさい』【試読】Photo:PIXTA

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はじめに

 日本経済は、アベノミクスや日本銀行の大胆な金融緩和によって、企業業績が回復するとともに株価も大きく上昇しました。それに伴って賃上げに動く企業も出てきましたが、サラリーマンの年収はいまだに低いままです。国税庁の2013年民間給与実態統計調査によれば、サラリーマンの平均年収は414万円と、1997年のピーク時に比べて53万円も低いのです。

 2014年4月からは、消費税が8%に改定されました。さらに2017年4月には10%になることが決まっています。今年から相続税の基礎控除が大幅に縮小されるとともに、最高税率は55%に引き上げられました。

 現在、会社で給与天引きされている厚生年金保険料も、実は毎年0.354%ずつ引き上げられていて、2017年には負担率が標準報酬月額の18.3%まで上昇します。東日本大震災に伴う復興特別税についても、法人はすでに廃止されましたが、個人は2037年まで続きます。個人については今後も増税傾向が続き、唯一サラリーマンの必要経費として認められている給与所得控除額も段階的に引き下げられる予定です。

 一方で、安倍晋三首相は世界的に見て高いとされる法人税の実効税率34.62%(標準税率)を今後数年で29%台に引き下げる方針を打ち出しています。法人にも課されていた復興特別税が廃止されたのは先に述べたとおり。「個人は増税、法人は減税」の方向はますます顕著になると思います。

 徴税する側にとってみれば、源泉徴収制度という自動集金システムがある以上、取りやすいところから取るという方針は当面改められることはないでしょう。

「果たして、このままサラリーマンを続けていて大丈夫なのか?」と、不安を抱えている方も多いと思います。可処分所得はどんどん減少するでしょうし、無事に定年まで働けたとしても満足に暮らせる額の年金がもらえる保証はどこにもありません。

 確かにサラリーマンを続けることで、しばらくは安心が担保されます。しかし、いつかは沈みゆく船に最後まで乗っているのも、実は勇気のいることなのです。