「強く言ったもの」が強くなる
ひろゆき氏:答えがない分野って、「答えを堂々と言い切る人」が強いんですよ。たとえば、「これは有名なコピーライターが書いたコピーです」とか、「これは三つ星レストランのシェフが作りました」って先に聞いたとしますよね。そうすると、本当に素晴らしいコピーに見えたり、料理がおいしく感じたりします。
映画や小説だって、「あの有名監督の最新作!」とか「あの一流作家、渾身の一作!」って謳ってたら、なんか名作だと思うじゃないですか。それで大外しはしないという。
――言ったもの勝ちみたいな。
ひろゆき氏:「誰が言うか」が大事なジャンルは、そうなりますよ。だから、さっさと実績を作ってしまって、偉そうに語ると生き残れます。
「王様は裸だ!」とは誰も言いませんから。あまりにひどいセンスのものを連発したら、「あれ、あの人の時代は終わったんじゃない?」ってなっていくんですけど。70点くらいの仕事だったら、誰も責めませんよね。
――そうやって客観的に自分を見ながら生き残ればいいんですね。
ひろゆき氏:そう。1回でも偉くなった人が「こっちがいい!」って言い切っちゃったら、みんなそれが正しいと思いますから。なかなかコンピュータが判断できない「微妙なニュアンス」が残りそうな仕事とか職種を選ぶとよいですよね。言葉の世界とか、アートの世界とか、ファッション業界とか。
偉くなるまでは、ひたすら良い物を観察して、仮説と検証をぐるぐるくり返すしかないんでしょうね。それを毎日やることですかね。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、16万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。