夏場のダイエットに取り組む人にぜひ読んで欲しい1冊が『医者が教えるダイエット 最強の教科書』だ。発売直後から売り切れが続出し、全国で大きな話題を呼んでいる。著者は、生活習慣病の専門医・牧田善二氏。最新の医学に基づき、最も効果的なダイエット法を解説した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。
糖質を多く含む意外な食品「隠れ糖質」に要注意
「大好きなケーキも我慢して頑張っているのに、体重が落ちません」
「ご飯もパンも麺類もほとんど食べていないのに、どうも効果が得られません」
糖質制限を行っている人から、こんな相談を受けることがよくあります。
そこで、数日間の食事内容を細かく教えてもらうと、しっかり糖質を摂っているのがわかります。
彼らは意外な食品に含まれている糖質を見逃していたり、「これは大丈夫だろう」と勝手に思い込んだりしているのです。
これまで何度かふれてきたように、糖質依存症は、タバコや薬物の依存症と違い、「原因物質に近づかなければOK」という単純な方法がとれません。
さまざまな食品に多少なりとも糖質が含まれていることから、まったくゼロにするのは不可能。
また、偏った食事は健康を害しますから、「いろいろなものを食べながら、できるかぎり糖質を減らしていく」というやり方しかありません。
ここが、糖質制限の難しいところでもあり、また面白いところでもあります。
糖質制限を始めれば、食品表示にも興味が湧いてくるでしょう。
そして、食品表示をしっかり見るようになると、思いもしなかった食品が糖質たっぷりだったことに驚くことでしょう。
本書では、そうした「隠れ糖質」について学び、糖質制限をより確固たるものにしていきましょう。
隠れ糖質1:そば
私の患者さんたちは、食事の度に血糖値を測定しており、なにを食べればどれだけ血糖値が上がるか(つまり太るか)について、専門家と言えるほど把握しています。
その患者さんたちが揃って驚くのが「そば」です。
そばはいかにも健康そうだし、量も少なめ。それなのに、ざるそばを1枚食べただけで、血糖値が急上昇するのです。
考えてみれば当たり前で、そば粉は炭水化物です。二八そばなどは小麦粉が足されていますが、同じことです。
しかも、そばは時間をかけずにささっと素早く食べるもの。
ほぼ糖質だけの食べ物を短時間でかき込めば、血糖値は急上昇します。そして、それに対応すべくインスリンも大量に出るので、太るわけです。
隠れ糖質2:玄米・全粒粉のパン
同じ茶碗一杯のご飯を食べるなら、白米よりも玄米をすすめます。
玄米に残っているミネラルや食物繊維などの栄養分が、白米に精製する段階で落とされてしまうからです。
血糖値を抑える食物繊維が、玄米は4倍以上多く含まれています。
同様のことが白いパンと全粒粉パンやライ麦パン、白いパスタと全粒粉パスタなどにも言えます。
なるべく、精製していないほうが栄養的には優れています。
しかし、玄米も全粒粉の小麦粉も、炭水化物であることは変わりません。
ミネラルや食物繊維が残っているからといって、糖質がなくなるわけではありません。糖質量に関しては、白米も玄米もほぼ同じです。
だから、体重が順調に減っている人や体重を維持したい人には「ご飯を食べたいときには、白米ではなくて玄米がいいですよ」というアドバイスはできますが、糖質制限中には、玄米も全粒粉のパンもパスタも避けたほうがいいのです。
隠れ糖質3:牛乳・ヨーグルト
糖質制限にチャレンジするときに、案外多いのが「デザート代わりにヨーグルトを食べることにした」という人です。
ジュースや清涼飲料水をやめて、牛乳を飲んでいるという人もいます。
まず、ヨーグルトですが、少しでも砂糖で味付けがしてあるものはNGです。
「微糖」などという言葉にだまされてはいけません。無糖タイプのプレーンヨーグルトをそのまま食べてください。
ただ、プレーンヨーグルトも牛乳も、もともと「乳糖」という糖質を含んでいます。
そのため、たくさん摂取すればそれだけ糖質も摂ってしまいます。
基本を守って糖質制限しているのに体重が減らないようなら、しばらくヨーグルトや牛乳はカットしてみましょう。
ちなみに乳製品の中では、チーズが低糖質でたんぱく質を多く含む食品ですので、たくさん食べても太らない食材です。
(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)