シリコンヴァレーの勃興、インテルが設立されるまで

 まずオイルショック後に省エネを進めるためには、温暖な南部地域は魅力でした。温暖な地域ほど電気代は安いものです。

 日本で最も電気代が高い都道府県は北海道であることからもそれが理解できます。さらに労働組合の組織率が低かったこと、北部に比べて賃金水準や土地代が安かったことなども要因です。こうして南部諸州は積極的に企業を誘致していきました。

 特に南東部に多いアフリカ系、南西部に多いヒスパニック系の人々はアメリカ合衆国の中では賃金水準が低くなっています。

 サンベルトでは情報通信技術産業の集積が目立ち、シリコンヴァレーやシリコンプレーンなどが有名です。こうした知的産業における資本こそが高度人材であり、産学協同での研究が活発化しました。

 1965年には移民国籍法の大改正が行われ、それまで存在した出身国割り当て制限を撤廃し、高度人材を積極的に受け入れる方針へと転換しました。

 シリコンヴァレーはサンフランシスコから南へおよそ50㎞に位置します。地形的には、文字通り「valley(谷)」です。トランジスタの発明者であるウィリアム・ショックレーという人物が、ここで半導体研究所を設立したのがシリコンヴァレーへの最初の進出だといわれています。1957年のことです。

 この半導体研究所で働いていた人たちが辞め、フェアチャイルドセミコンダクターという会社を作ります。そして、フェアチャイルドセミコンダクターを辞めたロバート・ノイス、ゴードン・ムーアらによってインテルが設立されました。

 その後、シリコンヴァレーに先端技術産業が集積していきます。