このように、投資信託と出会う機会、おつきあいする機会は確実にふえているのです。

 もっとも、投資信託と出会う、利用する機会がふえたにもかかわらず、投資信託についてはよくわからないという人も多いようです。ふだん生活する中で投資信託について知る、学ぶ機会はないのですから、それは当然です。ただ、こうして資産形成を後押しする制度ができて、投資信託を活用する機会がふえたわけですから、せっかくなら投資信託の基本を知って、前向きにおつきあいしていきませんか。

 投資信託を購入して、長期にわたって運用し、そして最終的に解約するには、私たちは必要な知識を身につける必要があります。投資信託は、株式に比べて「わかりにくい」「とっつきにくい」と言われます。種類や本数がとても多いこと、専門用語がたくさんでてくること、そして、しくみがわかりにくいことなどがその理由です。

 そこで、本書では、投資信託に興味をもったり、購入を考えていたりする人が「本書を読めば投資信託の基礎知識がひと通り身につく」ことを目標にしました。具体的には、投資信託の基本的なしくみから商品の選び方、その活用法までをわかりやすく解説しています。投資信託の知識がまったくない人でも理解できるように、平易な文章を心掛けるとともに、イラストを使った図解や用語解説もふんだんに入れるなど、工夫を凝らしています。もちろん、よくわからないまますでに投資信託を購入してしまったかた、企業型DCやiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入しているかたにもおすすめです。

 投資信託に関する基礎知識を身につけることができれば、だれかに頼ることなく、自分で商品を選んで、長い目でお金を育てていくことができるようになります。

*1国民年金の第一号被保険者、第三号被保険者は20歳以上60歳未満、第二号被保険者(会社員・公務員)は60歳未満。ただし、企業型確定拠出年金加入者は規約変更等が必要なため加入できない人も多い