メンタルの不調は、重大な病気のサインかもしれない
──PMDD以外にも、極端な生きづらさを生み出してしまう病気はあるのでしょうか?
バク:いろいろありますよ。たとえば「立っているのもしんどい、気分が落ち込む」と、うつ病だと思って受診した人が、じつは貧血だった、というケースもありました。
あとは、甲状腺機能が低下する病気でも、うつに似たような症状が出ることがあります。糖尿病で高血糖になると頭がぼんやりするので、それを精神疾患だと思いこんでしまう人もいますね。
──「メンタルの不調で病院に行くなんて恥ずかしい」という人もいますが、きちんと病院に通うのは大事ですね……。
バク:本のなかでも「自分に課金しよう(お金を使おう)」と書きましたが、健康診断や病院に行くことも、必要な課金なんですよ。はやめに診断して薬物治療を開始すれば、病気になるリスクも下げられますしね。
「精神科は行きづらい」という人もいますが、メンタルの落ち込みは、身体のどこかに異常が起きているサインかもしれないんです。
歯が汚くなったら歯医者に行ってメンテナンスするし、歯もちゃんと磨きますよね。それと同じです。病院に行くのは恥ずかしいことでもなんでもありません。社会人としてのたしなみなんですよ。
必要なのは根本解決ではなく「うまくやっているフリ」