『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が20万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏「著者の知識が圧倒的」独立研究者の山口周氏「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

「ジム通いも勉強も……」やりたいことが多すぎる悩みへの超納得の回答Photo: Adobe Stock

[質問]
 同時に実現したいことが多すぎて困っています

 私は読書猿さんのようにたくさん本を読んだり勉強をしたいと思っています。

 ただ勉強といっても広く本を読みたい気持ちもあれば、転職に関わる勉強(プログラミングなど)や趣味に関わる勉強(文章の書き方、絵の描き方など)など同時に実現したいことが多すぎて困っています。

 また、小説を読んだり趣味のものづくりをしたり、ジム通いをしたり家事をしたり、毎日したいことが多過ぎる日々です。

 優先順位をつけるべきなのでしょうが全て今やりたい事となってしまい収集がつきません。どのように解決したらよいのでしょうか。

やりたいことを「モノ化」する

[読書猿の回答]
 人間の時間も能力も有限ですから優先順位をつけ一部をあきらめるしかないのですが、それができないなら全部をやってみて現実によって判定するしかありません。

 一般に夢は具体性に乏しく「大きさ」を持っていないので、いくらでも積み込める感じがします。優先順位をつけることを含めて広い意味でのプランニングに持ち込むためには、現実という地面に引きずり下す必要があります。

 つまりは実際にやってみて、自分がどれだけのことができるかを実地に確かめた後で、改めて優先順位について考えてはどうでしょうか。「どれだけできるか」を明確にするために、やりたいことのそれぞれについて、いつ、なにを・どれだけやったかを記録するとよいでしょう。

 例えば、やりたいこと(テーマ・ジャンル)を縦軸に、日付を横軸にとった簡単な表をつくり、実行したことをジャンル別に毎日埋めていくとよいと思います。

 やりたいことをこうしてモノ化することも、そのボリュームを体感する方法の一つです。