食事で摂取できない場合は?
もし日光を長期間浴びられなかったり、食事からまったく摂取できなかったりするようなら、確実にビタミンD不足になります。それで放置するくらいなら、サプリメントのビタミンDを摂取しましょう。
多くのサプリメントはあまり効果が期待できないといわれていますが(※4)、まったく摂取できない人にとっては有益なものになり得ます。加齢とともに骨密度が低下していくのは避けられません。
「高齢者」にとっては「骨粗しょう症検診」も非常に有効です。骨粗しょう症検診は市区町村から無料のクーポン券が発行されることもあります。
また、近くの内科や整形外科などで受けることもできます。検診で骨粗しょう症を発見することができれば、骨を強くする薬を内服する場合もあります。
国際骨粗しょう症財団(International Osteoporosis Foundation)では、65歳以上の女性と70歳以上の男性はマストで「骨密度測定」を推奨しています(※5)
女性のほうが骨粗しょう症になりやすいので若い年齢に設定されているわけです。骨粗しょう症は親子2世代にわたって注意をしていくことで健康寿命を延ばし、幸福度の高い生活を保つ助けになります。
自らの足で歩ける時間を1日でも長くするために、例えば「15分家族で外を散歩する時間を作る」などで対策していきましょう。親御さんや身近な人にぜひ教えてあげてください。
(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)
【出典】
※1 厚生労働省 国民生活基礎調査 2019年版
※2 Arash Hossein nezhad,et al. Vitamin D for health: a global perspective. Mayo Clin Proc. 2013 Jul;88(7):720 55.
※3 Vitaly Terushkin,et al. Estimated equivalency of vitamin D production from natural sun exposure versus oral vitamin D supplementation across seasons at two US latitudes. J Am Acad Dermatol. 2010 Jun;62(6):929.e1 9.
※4 Safi U Khan,et al. Effects of Nutritional Supplements and Dietary Interventions on Cardiovascular Outcomes: An Umbrella Review and Evidence Map. Ann Intern Med.2019 Aug 6;171(3):190 198.
※5 F Cosman,et al. Clinician's Guide to Prevention and Treatment of Osteoporosis. Osteoporos Int. 2014 Oct;25(10):2359 81.