私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回登場する神様は、産土神。あなたの生まれた土地の鎮守神です。今、ここで出合えたのはとてもラッキーです。ぜひ、ご自身の産土神を調べてみてください。

なぜ、徳川家康は人並み外れた出世をしたのか?Photo: Adobe Stock

あなたの人生で最も重要な神

なぜ、徳川家康は人並み外れた出世をしたのか?産土神
イラスト/朝倉千夏

 連載50回目でご紹介するのは、他の神々と位置づけは違いますが、あなたの人生で最も重要な神です。産土神(うぶすなのかみ)といって、あなたが生まれた土地の鎮守神です。要するに、生まれ故郷の神で、人によって異なります。

 たとえば徳川家康の産土神は、サルタヒコやシオツチノオジなど愛知県岡崎市の六所神社の神々ですし、徳川吉宗の産土神は、和歌山市の刺田比古神社で、ご祭神は神武天皇の側近・道臣でした。2人とも産土神を手厚く祭り、人並み外れた出世や活躍をしました。

 産土神は生まれてから死ぬまであなたに伴走します。そうやって伴走すること、共にいることがご利益です。仮に、あなたがさまざまな神様のサポートを得られるとして、間に立つのが産土神になります。もちろん、産土神が直接あなたに何かご利益を授けるようなこともありますが、他の神々との仲介役もするのです。

 たとえば、他の神々に「この人はこういう願いや価値観を持っているのです」と情報を補足するわけですね。神々のご縁結びは、マッチングサービスのようなもので、個別のフォローが必要なのです。「私の産土神はどなただろう?」と気になる方もいるでしょう。出生地がわかれば、各都道府県の神社庁に問い合わせると、答えてくれるようです。

 多くの赤ちゃんは病院で生まれるので、出生地は病院か実家か迷う人もいます。実家とお答えするのが一般的ですが、特に決まりはありません。神道はあいまいで、明確に言語化されていませんので、「なんとなく」くらいの感覚でよいと私は思っています。

 私自身の産土神は天満大自在天神、天神さんのようで何かとご縁があります。もし病院なら、近くの熊野神社に祭られるイザナミ・イザナギ、アマテラスなどが産土神です。どちらでもいいと割り切っています。産土神に祈りたいときは、自室や神棚で「産土神さま」と3度呼びかけています。この方法なら、名前を知らなくてもOKですね。

【主なご利益】安産祈願、家内安全、開運招福、学業成就、技芸上達、金運向上、健康長寿、五穀豊穣、交通安全、仕事開運、受験合格、商売繁盛、心願成就、心身健全、神恩感謝、身体健全、必勝祈願、厄除祈願、立身出世、良縁成就

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*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋し、再編集したものです。