家賃滞納で立ち退きを命じられ、生活保護を申請中の男性がホテルで971泊。かかったお金を市に水増し請求するという事件がありました。男性は「ハードクレーマー」として有名だったとのことで、市職員も対応に苦慮したものと思われます。こうしたモンスタークレーマーを生まないためにはどうしたらいいのでしょうか?(エンゴシステム代表取締役 援川 聡)
生活保護を受けている男性が
971泊分のホテル代を市に請求
9月末、ちょっと驚くような事件の裁判がありました。
約2年8か月にわたりホテルに宿泊しながら、盛岡市から生活保護費の住宅扶助計約1440万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた無職の男(53)(青森県八戸市)と妻(47)(同)の初公判(加藤亮裁判長)が27日、盛岡地裁であった。
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捜査関係者によると、男らは盛岡市内で被告の90歳代の父親と3人で同居していた。しかし、14年10月に家賃滞納で立ち退きを命じられ、同市に生活保護を申請。一家が住居を確保するまでの間、市は一時的にホテル代を住宅扶助として支給することを認めた。同市は3人家族に対する1か月の住宅扶助の支給上限額を4万円と定めているが、男らが受給した額は1か月あたり約45万円にのぼった。
検察側の冒頭陳述によると、男は担当者をどなりつけるなど、市職員の間では「ハードクレーマー」として有名だった。市は再三、住居の確保を要請したが、「高齢の父親がいるので身動きがとれない」とホテル暮らしを継続。「一定額までしか給付できない」との市の説明にも「全額でなければ困る」などと執拗(しつよう)に主張したという。
(引用:読売オンライン 2021年9月28日記事より)
この記事を読んで最初に思ったのは、「なぜこんなことになるまで放置してしまったのか」という残念な気持ちでした。細かい事情は分からないので断定はできませんが、長期間にわたる後手後手の対応によって、超ド級の巨大モンスタークレーマーを育ててしまった、といってもいいかもしれません。