自身初の小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』を上梓する著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」からとっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

ストレスを抱えやすい人はやっている!<br />物事をすすめるときの失敗パターンとは?イラスト:カツヤマケイコ

人はキープしたがるもの

きょうのひとことは、

「リスクを分散しましょう」

人はキープしたがるものです。

そういうと、なんだか計算高くてイヤらしい印象を受けるかもしれません。

しかし、これは事実なので、なにか計画を立てて人に頼んだりするときは、「人はキープしたがるもの」ということを前提に、行動したほうがうまくいきやすいのです。

仕事でもプライベートでも、なにかを魅力的な計画を立てて依頼すると、「ボクもやりたい」「私もやりたい」と、いろんな人が手をあげてくれることがあります。

そのなかから「この人がいいかもしれない」と依頼する人を決めて、話を進めていくと、なんだかうまく進まないこともあります。

それはなぜかというと、根本的な原因の1つに、人は魅力的な提案をひとまず自分の手元に置いてキープしておきたいという欲求があるからです。

魅力的な計画を提案されたのに、その場で断ってしまえば、それを手にする可能性はゼロになってしまいます。

だから提案された人は、とりあえずキープして、手元にいくつかの選択肢を用意したくなるものなのです。

そのため、提案内容と人選にミスマッチが生じてしまう可能性が高いのです。

だから、計画を提案した人のほうからすると、誰かが手をあげたからといって、その人だけに限定してすべてを委ねるというのは、リスクが高いです。

だから、不誠実な対応にならないように、きちんと相手に断わりを入れたうえで、うまくいきそうな人に、いろいろと声をかけてみるといいです。

そうすると、確率論として、そのなかでうまく進められる人が見つかりやすくなります。

なにか物事を進めるときは、「人はキープしたがるもの」ということを頭に入れたうえで行動したほうがよいということです。

これは自分も相手もお互いさまのこと。

自分も相手も、お互いにいくつかの選択肢をキープしながら行動するとよいのです。

誰か1人、なにか1つのことに、全面的に自分を委ねてしまうと、うまくいかなくなったときに大変なストレスを抱えてしまうことになります。

そのリスクを分散させるという意味でも、「人はキープしたがるもの」ということを頭に入れておくことが大切です。

きょうのひとことは、
「リスクを分散しましょう」
でした。

参考になったかしら?