解決したい課題を明確にする
質問者の会社では、多様性を高めるために外国人を採用したとのことですが、そもそも何のために多様性を高める必要があるのでしょうか。
日本人中年男性だけで阿吽の呼吸で進めていた仕事を、日本語ができない外国人に説明するのは大変ですし、多くのミスコミュニケーションが発生するかも知れません。
前回解説したように、多様化した組織のほうが、平均点が低くなる危険を孕みます。
上図にあるような具体的な川下の活動(図の左側)をする上では、多様性が弊害となることがあります。
一方で、長期的に物事を捉えて自由に将来を構想する活動においては、多様性が有効に働きます。
例えば、国や既存の業界を超えてクライアント企業への長期的な戦略のアドバイスをミッションに掲げる筆者の組織には、多様なメンバーがいます。インドネシアの地方都市で家業を手伝っていたメンバー、インドでの起業経験者、フランスでの投資銀行業務経験者などが連携することで、クライアント企業に新たな視点を提供しています。
盲目的に社会全体の流れだからと多様性を高めるのではなく、どのような課題を解決したいのかをまずは明確にしましょう。