固定費がキー!
――3つめのポイントの「節約する」ですが、これこそズボラな人には向いていないような気がします。ズボラ人間でも簡単に、無理なくできる節約法ってあるのでしょうか。
荻原:ズボラさんはまず「一度手続きしたら、ずっと安くなる方法」を考えてみてください。たとえば携帯電話はプランを見直したり、格安スマホに切り替えたり。電気は契約アンペアを下げて電気代を安くすることが可能です。
節約のポイントは「固定費」。いずれも最初の手続きは面倒ですが、一度手続きさえしてしまえば、あとはそのまま契約が継続されるので、ズボラな人に向いています。
――その「一度」が重要ですね。がんばりたいです……。
荻原:あと、ズボラさんがやりがちなのが「無意識的な小さな出費」。たとえば外出先で雨に遭って、コンビニでビニール傘を買ったり、タクシーに乗ったり。日本気象協会の調べによると、この手の想定外の出費によって、私たちは年間7478円も損をしているというデータも!
「いちいち天気予報を見るのが面倒」という方もいると思いますが、習慣化してしまえば面倒だと思わなくなります。無駄な出費もぜひ減らすようにしてください。
――節約で「これだけはやめた方がいい」ということはありますか?
荻原:節約家計でよく見られるのが「食費を削る」というものです。以前、あるFPの方から伺ったのですが、「4人家族で1カ月の食費が2万5000円」というご家庭があったそうです。
恐らく週末のまとめ買いや、食材のグレードを下げたり、安い食材を中心にした献立にする、といった涙ぐましい努力の賜物だとは思うのですが、毎日の食事は健康に直結しています。
食費を削って健康を害し、病院で高い医療費を取られてしまっては本末転倒! いくら節約といっても家族の健康にマイナスの影響を及ぼす恐れがある節約は止めましょう。
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1954(昭和29)年、長野県生まれ。経済ジャーナリスト。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。経済のしくみを生活に根ざして解説する、家計経済のパイオニアとして活躍。著書に『役所は教えてくれない定年前後「お金」の裏ワザ』(SB新書)、『50代で決める! 最強の「お金」戦略』(NHK出版新書)、『投資なんか、おやめなさい』『払ってはいけない』(新潮新書)、『私たちはなぜこんなに貧しくなったのか』(文藝春秋)など。