トラブル多発! 信用してはいけないアドバイス

 代表的な例でいえば、「相続発生後、銀行にその旨を伝えずにATMから残高0円になるまで引き出し、そのお金を相続人で分け合い、結果的に問題なかった」というような内容です。

 確かにこのようにして問題にならないケースもありますが、それは偶然その人たちがうまくいっただけのことであって、これから手続をする方までうまくいくかはわかりません。世の中には、

・相続後に他の相続人に無断でお金を引き出したために、そのお金の着服を疑われ、相続人同士で争いに発展してしまったケース

・相続発生後にお金を使ったため相続放棄ができなくなり、多額の借金を相続しなければならなくなったケース

 さまざまなトラブルに巻き込まれてしまった人が大勢います。

なぜ国家資格があるのか?

 法律や税金のアドバイスをするためには、弁護士や司法書士、税理士といった国家資格が必要です。なぜ、国家資格が必要なのかと言うと、誤ったアドバイスをすると、余計にトラブルが増え、取り返しのつかない事態になる可能性があるからです。

 医学に詳しいからといって、医師免許のない人に診察や手術を任せてはいけないのと同じなのです。

 葬儀や法事等で、多くの方とお会いすると思いますが、専門家でない人から受けたアドバイスは、話半分に聞きましょう。正しい知識を身につけ、自分の身は自分で守るという姿勢が大切です。
(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続「手続大全」ーー相続専門YouTuber税理士が「亡くなった後の全手続」をとことん詳しく教えます!』を編集・抜粋したものです)