ととのうためのポイントとは?

――ととのうためには動線が大事だと本にありましたね。2分間が大事だと。

加藤:はい。アドレナリンが血中に残っていて、かつ、副交感神経が高まっている。その時間が2分です。だから、外気浴スペースが遠くて移動に時間がかかると、貴重な2分間がどんどん失われていきます。水風呂から出た後は、速やかに行動することが大切です。

「サウナでととのう」とは医学的にどういう状態なのか?

――動線以外に、ととのうために大切なことはありますか?

加藤:収容人数ですかね。サウナ室はすごくこだわってるんだけど、水風呂がすごく小さいとか、人数のミスマッチがあると、「気持ちいい」に集中しにくくなりますよね。だから、混んでいるところも避けた方がいいですね。僕は、一番いいサウナというのは、混んでいないサウナだと思っています。ゆったりサウナに入ってリラックスしたいですね。

あとは、やっぱり、体がサウナに入りたいなっていう時に入ることですね。実際に論文があって、サウナに入る前にストレスを感じている人ほど、リラックス効果が大きいという報告があるんですよね。もちろん、すごく疲弊していて、倒れそうな時に入るのは危ないからダメですよ。それは避けていただいたうえで、今日は疲れたな、サウナに入りたいなっていう時に入るのが、ととのうという実感を得られるコツかもしれないですね。

【大好評連載】
第1回 「サウナ」のいちばんの効果とは?
第2回 「サウナ→水風呂」だけの繰り返しは、間違った入り方!

「サウナでととのう」とは医学的にどういう状態なのか?著者・監修/加藤容崇(かとう・やすたか)
慶應義塾大学医学部特任助教・日本サウナ学会代表理事
群馬県富岡市出身。北海道大学医学部医学科を経て、同大学院(病理学分野専攻)で医学博士号取得(テーマは脳腫瘍)。北海道大学医学部特任助教として勤務したのち渡米。ハーバード大学医学部附属病院腫瘍センターにてすい臓癌研究に従事。帰国後、慶應義塾大学医学部腫瘍センターや北斗病院など複数の病院に勤務。専門はすい臓がんを中心にした癌全般と神経変性疾患の病理診断。
また、病理学、生理学にも詳しく、人間が健康で幸せに生きるためには、健康習慣による「予防」が最高の手段だということに気づき、サウナをはじめとする世界中の健康習慣を最新の科学で解析することを第二の専門としている。サウナを科学し発信していく団体「日本サウナ学会」を友人医師、サウナ仲間と作り、代表理事として活動中。『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社刊)が初めての著書となる。
「サウナでととのう」とは医学的にどういう状態なのか?