高騰し過ぎる湾岸タワマン価格の裏で、「脱湾岸」する人が増えているとか。湾岸の次は千葉と埼玉の時代が来るのか?首都圏の他エリアの住宅市場は今後どうなるのか。特集『不動産インサイダー年始座談会』(全8回)の#3では、東京湾岸以外の首都圏タワマン、戸建て相場を総ざらいする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
●全宅ツイのグル @emoyino 都心の不動産を中心に扱うブローカー
●どエンド君 @mikumo_hk 専業の不動産投資家(大家さん)
●かずお君 @kazuo57 日本中の土地を老人ホームにする有活ブローカー
●あくのふどうさん @yellowsheep 渋谷の不動産ブローカー
●のらえもん @Tokyo_of_Tokyo 東京湾岸エリア専門のマンションブロガー
●はとようすけ @jounetu2sen 都内不動産営業
●なめ茸 @c___i___b マンデベモデルルーム勤務
●とっくさん@ @tokusenjouhou20 オフィスリーシングとテナント退去を阻止する管理業務に従事
●N的まにあ @n_teki_mania 恐妻家兼不動産ファンド関係者
●ヘタレ社長 @hetare808ceo 賃貸仲介と賃貸管理をほそぼそと営むヘッポコ社長
「湾岸タワマンのあまりの高騰に、東京湾岸を捨て別の湾岸に移る人が続出中」
――前回の最後に幕張のタワマンの話が出ましたが、千葉の住宅物件の売れ行きはどうでしょうか。
なめ茸 千葉の湾岸エリアのあの辺りも好調だったと聞きますね。香取慎吾がキャラクターをやった、(※1)ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラとか。新浦安駅からのバス便マンションなんですけど、やっぱりめちゃくちゃ売れましたよね。坪230万~240万円ぐらいなんですけど。(※2)幕張ベイパークタワーの人気にも引っ張られたところもあるかも。
――その辺の郊外物件は、リモートワークが終了になると買われなくなるんでしょうか。
なめ茸 こういった物件が売れていたのは、どっちかというとリモワ理由というよりも、都心物件がもう坪400万~500万円が当たり前になってて、今までは坪200で買えていたところが300くらいになってて。それで買えなくなった人がどんどんその円の外側に移ってきてるんですよね。今まで江東区とかそれこそ湾岸タワマンを買ってた人たちが買えなくなって、幕張や東京の西側の方の郊外とかにも流れていってる感じ。
この1~2年で、住宅を買う顧客が広域で検討するケースがめちゃくちゃ増えているんです。今までは、「職場への通勤に便利な何線の沿線を探す」「今の家の近くで探す」っていう方々が多かったんですけれども、今は新宿から1時間圏内とかで同じような価格を同軸の円内で探すのがすごく増えてきてるんですよ。「埼玉と国分寺で検討してます」みたいな。
のらえもん(のら) そうそう、湾岸民でもう1部屋欲しいから幕張に行くって人結構多いですよ。何人も知ってます、本当に。だって向こうの方が、1000万円安くてかつ1部屋増える。やっぱり海が見えて広い道路で教育が充実してて。そうなると高い湾岸タワマンを売却して利益を確定して向こうに住んでしまうという動きがあってもおかしくないかなと思います。
はとようすけ(はと) うん、湾岸タワマンから幕張に移動してる人多いですよね。やっぱみんな海の近くとか再開発エリアに住みたいのかな。
のら 湾岸を選ぶような人っていうのは、広い区画で企画的な建物と町に住みたいっていう人だから。この条件で他にどこかに行くんだったら、幕張か柏の葉くらいしかないもんね。
なめ茸 幕張にしろ柏の葉にしろ開拓者的な先住者たちが10年、15年前からじっくりつくり上げてきた町が、ようやく日の目を見てる。元の住民たちにとってはこれは歓迎すべき流れかもしれないね。
――湾岸以外のエリアの住宅市場の勝ち負けはどんな具合でしょうか。湾岸民移転の受け皿になっている地域と、そうでなくて負けてるエリアに分かれる感じですか?マンションだけでなく戸建ても含めて、教えてください。