感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

精神科医が教える淡い期待は、なぜ見事に裏切られるのか?イラスト:カツヤマケイコ

ラッキーパンチを期待して行動すると?

きょうのひとことは
「もしかしたらは、期待したら起きない」

「もしかしたら◯◯が起きるかもしれない」と思って行動すると、だいたい起こることはありません。

わかりやすい例でいうと「もしかしたら1等・前後賞合わせて10億円が当たるかもしれない」と思って宝くじを買ってもだいたいハズレますよね。

そもそも「もしかしたら」というのは、自分に都合のいい内容ばかりで、身勝手な“虫のいい話”であることが多いです。

ただし、「もしかしたら」が実際に起きることもあります。

それは逆説的になりますが、「もしかしたら」が起きるだろうと思って行動していない場合だったりするのです。

「やるしかない」「もう駄目だろう」と半ば思いつつも、「やれるだけやるしかない」「やりたいからやるしかない」と思って行動していたら、その結果として「もしかしたら」が起きたというケースです。

最初から淡い期待を抱いてしまうと、「もしかしたら」が起きることを折り込み済みで行動してしまいます。

すると、ちょっとした脇の甘さに通じてしまいがちなのです。

「もしかしたら」というのは、ボクシングでいうところの“ラッキーパンチ”のようなもの。

くり出したパンチが偶然、相手選手にクリーンヒットして倒してしまうようなもので、確実性がありません。

やれるだけやって、そのうえで確実性がないけれども、たまたま起こることが「もしかしたら」だと思うのです。

最初から「ラッキーパンチが当たるかも」と期待してしまうと、逆に可能性を狭めてしまうというイメージです。

一方、「もしかしたら」ということが実際に起きた事例を知ると、「やっぱりそういうこともあるんだ」と思って行動してしまう。

しかし、淡い期待を抱かずに、むしろもう諦めたつもりで挑んでみたほうがいいです。

「もしかしたら」を最初から期待して行動してしまうと、結構はうまくいかないこと多いでしょう。

「自分がツイていなかった」などと思ったりすることもありますが、そうではなくて淡い期待を抱くことによって、脇が甘くなったことが原因だったりするのです。

もちろん、淡い期待を抱くことがいけないわけではありませんが、「もしかしたら」が起きて欲しいと思うのであれば、むしろ諦めて行動したほうが、よい結果を招くかもしれないと思うのです。

きょうのひとことは
「もしかしたらは、期待したら起きない」
でした。

参考になったかしら?