罪悪感とうまく折り合いをつける

おがた そしてね、やはり同じHSPさんの書いた本を読むと、すごくホッとするんです。仲間がいるとわかるだけでも。私、みさき先生の本はお気に入りのフレーズに全部付箋を貼って、何回も何回も読み返しています。この本でとても好きなのが『とても傷つきやすい人が「しなくていい」11のこと』というコラムなんです。「私さえがんばれば」「私が何とかしなくちゃ」って思わなくていいよ、というメッセージがあるのですが、私はいつもいつも、自分が何とかしなくちゃと焦っているので、ここを読んで「あ、そう思わなくてもいいんだ……」って心を落ち着かせています。

みさき ありがとうございます! そんなふうに活かしてくださって嬉しいです!

おがた まじめに考えすぎて、すぐ頭が凝り固まってしまうので、この11のリストはつねに読み返しています。

みさき 皆さん、まさにそういう状態で相談に来られるんですよ。ですから最近、セッションの時にストレッチをご一緒にするんです。そうすると張り詰めた気持ちが緩んで、解決が早い。伸びをして「あー」って声を出したりね。そうすると血色も良くなって、笑い声も出てきて、そうなるともう大丈夫なんです。そこで初めて自分が滞っていたことに気づくことができる。

おがた なるほど、なるほど。あと私、この本で知って参考にしているのが、相手との距離の置き方について、「心にカーテンをつける」という表現で説明してくださっているところ。HSPさんは相手を遮断することに罪悪感を持ってしまうので、カーテンという柔らかいもので少しずつ距離を調整して付き合うという考え方を、もっと参考にして活用したいなと思っています。

みさき ありがとうございます。おっしゃるようにHSPさんは相手を嫌うことに罪悪感を抱いて苦しむんですよね。

おがた それが、「嫌っているわけではなく今はちょっと疲れているからカーテンを閉めているだけ」と思えると、苦手な人を避けることに罪悪感を持たなくてすみます。

みさき うん、うん。ターゲットにされやすいというのも、人を嫌うことに罪悪感があるからなんですよね。私が悪いのかも……と思いやすいから、すぐ謝ってしまう。それで攻撃されたら、もうひたすら下がっていく。

おがた そうなんですよね。

みさき 罪悪感をどうコントロールするかは、難しい課題です。私が4年前にアメリカで行われたHSPの合宿に参加した時は、合宿中に「ごめんなさい」は絶対に言わないというルールがあったんです。日本人だからつい、「アイムソーリー」が出て指摘されましたけれど(笑)。でもね、アメリカ人でさえHSPの人は自分が悪いと考えて物事を丸く収めようとする感覚があると知って、とても驚きました。それくらいHSPの人には染みついている感覚だということです。

おがた もう、挨拶みたいなものですものね。ごめんなさい、すみません、ご迷惑をおかけしましたって(笑)。

みさき そうなんですよ。でもそれ以来、謝る前に意識的に「非を認めて謝るべきことなのかどうか」を考えるようになりました。ただ、皆が皆それを実践できないのも私自身がいちばんよくわかっているので、この本では手を変え品を変え、「あなたが罪悪感だと思っているのは、違うんだよ」と書いたつもりです。もちろん謝ったほうがいい時もあって、肝心なのは謝った後どうなりたいかなんです。セッションでは、丸く収めるためだけなら謝る必要はないのだと、練習を通して学びます。例えば謝って仲良くなりたいとか関係性をキープしたいとか、「自分がどうしたいかを最初に決めてから謝る」という練習をするんです。一緒にロールプレイをします。そうすると、自分の立場を必要以上に下げすぎない謝り方ができるようになるんです。

おがた 難しいけれど大事なところですね。そこはHSPさんの課題かな。謝りすぎない、自分で自分を下げない、ってこと。

みさき はい。訓練はしたほうがいいなと思います。意識していくことって重要ですから。謝ることも習慣になりすぎてしまって、それをやめるイメージを思い描けない方がほとんどだと思うんですよ。

おがた だから、まずは本を読んで、知識としてだけでも対処法があることを知って、その中から一つだけでもちょっと試してみて、意外と大丈夫だな、という小さな成功体験を少しずつ重ねることができたらいいですね。いろいろな気づきもあると思うんです。HSPさんにとって、安心できることがとても大事なので、心の安心領域にこういう知識をどんどん入れていってほしいですね。例えばこの本に、無神経な人の感覚とか心の中ってこうなんだ、というのが解説されているのですが、これを読むと「あぁ、そうなんだ。相手はそこまで考えていないのか」って、目からウロコが落ちるというか、こっちがそんなに悩まなくていいんだなと気がラクになるんです。

みさき 本当にありがとうございます。まさに私がこの本で言いたかったことをしっかり読み取って、そんなにフルに活用してくださっているなんて感激です!

おがた ぜひ、交流会、実現させましょう!