お金持ちはどんな行動パターンと思考様式を持っているのか?
お金持ちだけが知っている、真の豊かさの正体とは!?

お金持ちがしている100の習慣』ではそのような疑問に答える「お金持ちの行動パターンと思考様式」を解き明かしています。著者は国際的に活躍するイギリスのコーチング第一人者であり、数多くのクライアントにコーチングをおこなってきました。成功者の習慣についてまとめた『成功者がしている100の習慣』は6万5000部突破のベストセラーとなっています。
本書では、その経験から導き出したお金持ちに共通する100の習慣を紹介しています。
「あなたはなぜお金持ちになりたいのか」本書のアドバイスはこの問いからはじまります。しっかりと目標設定をし、紹介されている習慣を実践することが、お金持ち、そして真の豊かさへの近道です。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣を特別に抜粋し、お金持ちになる人、ならない人の思考や行動のパターンを解明。習慣のポイントだけでなく、どのように実践すればよいか、ワークなどをまじえ具体的な方法を紹介します。

「なぜか、お金が貯まらない……」から脱する、たった一つの習慣Photo: Adobe Stock

お金持ちになる人は収入の一部を確実に貯蓄し、
お金持ちにならない人は気分で貯蓄する

「給料の一部は自動的に貯金し、使うのは残りの額だけにしよう」

 あなたは毎月どれくらいのお金を貯めていますか? 残念ながら、十分な貯蓄をしている人はわずかです。それどころか、まったく貯蓄をしていない人がたくさんいます。

 金融情報サイト「bankrate.com」の2018年の調査によれば、18歳から53歳までのアメリカ人の25%がまったく貯金をしておらず、金融資産も保有していません。他の25%の人も、3カ月分の生活費を賄うだけの貯蓄しかありません。

 イギリスでも似たような状況です。スキプトン・ビルディング・ソサエティによる2018年の調査によれば、成人の4人に1人が貯蓄をしておらず、10人に1人が収入以上の支出をしています。また金融行動庁の2017年の調査によれば、3人に1人の貯金額が2000ポンド未満しかありません。

 貯蓄は資産形成の基盤です。貯蓄ができなければ、あなたは決して裕福にはなれないのです。

 しかし残念ながら、特に若者にとって、貯金をするのは簡単なことではありません。給料は横ばいで、住宅費や生活費は上昇しており、お金を使わせようとする誘惑は至るところにあります。

 それでも、良い知らせがあります。毎月、多額の貯金をする必要はないのです。わずかな額でも貯金を習慣化できれば、お金持ちの考え方は身についていくのです。

 早い段階から貯金を始め、毎月わずかでも積み重ねていけば、長期的には大きなお金を貯められます。

お金の格言
「貯蓄は裕福になるための基盤である」

実践しよう

■「貯めるマインド」を身につける
 私たちは、貯蓄をする必要性に疑問を持ちたくなることがあります。特に、わずかな額を貯金するために今、我慢をしなければならないとき、そう感じてしまいます。

 しかし、お金に関する考え方を変えることができれば、あなたはきっと貯金をしたくなるでしょう。資産を増やすために何を、どのように、なぜしなければならないのかを理解すると、貯蓄が必要不可欠な理由がよくわかるようになります。経済的な目標を立てるときにも、貯金をする明確な理由を持てるようになるでしょう。

■給料の一定割合を貯金する
 貯金は、たとえ少額でも、まったくしないよりははるかにマシです。今から始めて、貯金を習慣化しましょう。

「月末にお金が余っていたら貯金する」という行き当たりばったりの方法に頼ってはいけません。給料が支払われたらすぐに、たとえばその10%以上を貯金するようにしてみましょう。給料日の翌日に、別の銀行口座に自動入金されるように設定しておくと便利です。スキプトン・ビルディング・ソサエティの調査によれば、イギリス人の25%が、給料の一部を自動的に別口座に移動させて貯金をするという方法を採用しています。

 どれくらいの割合を貯金するのがよいのでしょうか。まずは給料の10%から始めることをお勧めしますが、もちろん、それ以上でもかまいません。

 必要な生活費がいくらで、経済的な目標がいくらなのかを知っているのは、自分だけです。給料が少なく、10%は多すぎると思う人は、5%から始めてみましょう。給料が多い人は、貯金の割合を高めてもいいでしょう(そうすべきです)。

■昇給額やボーナスはすべて貯金する

 運良くボーナスをもらえる人は、できれば全額を貯金することを検討しましょう。また、節税効果のある年金制度などを利用するための資金にしてもいいでしょう。たとえばアメリカの場合は、401(k)への拠出金を増やせます。

(本稿は、ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳『お金持ちがしている100の習慣』を抜粋、再構成したものです)

ナイジェル・カンバーランド(Nigel Cumberland)
作家、リーダーシップ・コーチ
1967年、イギリスのヨーク生まれ。ケンブリッジ大学卒業。世界最大級の人材サービス会社Adeccoや世界3大ミシン糸メーカーCoats plcで財務部長を務めた。シルクロード・パートナーシップの共同創立者。ロンドンとドバイを拠点に、同社を通じて企業幹部を対象にリーダーシップ・コーチングやメンターリングをおこなう。ハーバード大学メディカル・スクール付属コーチング養成機関の創立研究員でもある。これまで香港・ドバイ・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイで暮らし働いた経験から人生で成功するヒントを得た。これまでに出版した8冊の著書は、ドイツ・中国・ポルトガル・スペイン・ロシア・チェコ・スロバキア・ルーマニア・ドバイをはじめとする中東諸国・ブラジルなどの各国で翻訳されている。『成功者がしている100の習慣』(児島修訳、ダイヤモンド社)が日本でもベストセラーになっている。
児島 修(こじま おさむ)
英日翻訳者
1970年生まれ。立命館大学文学部卒業(心理学専攻)。訳書に『成功者がしている100の習慣』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(以上、ダイヤモンド社)、『やってのける』『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(以上、大和書房)などがある。