感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

悲しいのに泣けない自分は冷たい人間なのか?イラスト:カツヤマケイコ

人間の感情はシンプルではない

きょうのひとことは、
「悲しみの量と涙の量は比例しない」

「悲しいことがあったのに泣けないは私は、ちょっとおかしいのでしょうか?」

こういう相談をよく受けます。

結論からいうと、おかしくはありません。安心してください。

悲しみといっても、さまざまな質やタイミング、ステージがあります。

泣くときもあれば、泣かないときもあって当たり前です。

その人の感情と肉体反応は、直接的にリンクしてるわけではないのです。

ものすごく傷ついたのに平然としていたり、笑っていたりすることだってあります。

そして、あとからジワジワと心が苦しくなることもありますし、逆に傷ついた瞬間に大きく落ち込むことだってあります。

これは同じ人であってもケース・バイ・ケースで、悲しいことがあったのに涙の量が少ないから悲しんでないというわけではないのです。

人間の身体はシンプルにはできていませんし、人間の感情もシンプルではありません。

ひと言で悲しみといっても、いろんな悲しみがありますし、喜びや嬉しさを内包しているような悲しみもあります。

たとえば、映画を観て泣くことがあります。それは、映画のストーリーや登場人物に感情移入して泣くわけです。

つまり、悲しいからというよりも、映画が面白いから泣いているという面もあるのです。

そういう類のことは他にもありますし、悲しいことがあったのに泣けなかったとしても、悲しみが軽いとか、心が冷たい人間だというわけでは決してありません。

悲しいのに泣けないなんて、自分を責める材料を探したりしなくても大丈夫です。安心してくださいね。

きょうのひとことは、
「悲しみの量と涙の量は比例しない」
でした。

参考になったかしら?