「間違える」ことでこそ、
意思決定の精度は高まる

「間違える」ことで精度を高める?

「どういうことだ?」と不可解に思う方もいるかもしれませんが、考えてみれば、これは当たり前のことです。

 そもそも、ビジネスにおいて100%の成功が保証された意思決定などありえません。意思決定とは、常に未来に賭けるものです。そして、未来のことは誰にもわかりません。どんなに情報を集めて、市場調査をやったところで、「100%こうなる」と予測することは不可能なのです。

 であれば、「70点の意思決定」でよいから、とにかく実行してみることが大切です。そして、PDCAを回しながら軌道修正を繰り返すことこそが、最速で「正解」にたどり着く方法なのです。つまり、「間違える」ことで、可能性の一つが消えたわけですから、成功に向けて照準が絞られたと捉えるべきなのです。

 だから、一つの意思決定が「失敗」に終わっても恥じる必要はありません。

 失敗したときに重要なのは、それを潔く認めて、「自分の判断ミス」だと明言することです。メンバーの提案に「OK」という意思決定を下した場合であっても、意思決定に責任をもつのはメンバーではなく管理職ですから、決して、メンバーの責任に帰すような言動をとってはなりません。

 何よりも重要なのは、あくまでも目標を達成するために、メンバーを励ましながら、自ら先頭を切って前進を続けることです。今回の失敗から学ぶべきことを明確にしたうえで、より成功確率の高い新しい企画をメンバーとともに考える。そして、新たな意思決定をして、その決定事項を徹底してやり抜く。そして、成功へとメンバーを導いていくことなのです(詳しくは『課長2.0』をご覧ください)。