株式投資で資産を築き、入社4年目の26歳でFIREを果たした『投資をしながら自由に生きる』の著者が、最速で「お金と時間の自由」を得るための秘策を教える。これは一般的なFIREとは、まったく別の概念だ。FIRE達成者の多くは、ひと通り自由を味わうと暇を持て余して、結局は仕事をするようになりがち。そこで時間と場所に縛られない極めて自由度の高い仕事をしつつ、経済的自由を謳歌するたった1つの方法(投資×小さな起業)を伝授!
大切なのは「オーナーになる」こと
【前回】からの続き
2014年、格差問題を論じたフランスの経済学者トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』が、世界的にベストセラーになりました。
ピケティは実証研究から、株式や不動産などの資産から得られる利益の伸び率は、長い目で見れば賃金の上昇率を上まわるという結論を導き出して、世界に衝撃を与えました。
この本では、「r(利子や配当などとして分配される資本収益率)>g(経済成長率)」というシンプルな不等式を示して、格差拡大の問題を指摘したのです。
簡単にいうと、働いて得られる収入の伸び率よりも、投資で得られる資産の伸び率のほうが高く、それが逆転することはないということです。つまり、資産を効率的に増やしていくためには、労働者として働き続けるのではなく、投資家になる必要があるということを明確に示したのです。
世の中には、「労働者」と「投資家」が存在します。労働者は、お金を得るために自分の「時間」を投じる人。投資家は、お金を生み出す仕組みに自分の「お金」を投じてオーナーとして収益を得る人です。
「お金と時間の自由」を獲得するうえで欠かせないのは、「オーナーになる」という視点なのです。
オーナーとは、「所有者」のことです。あなた自身は、いまどんなものを所有しているでしょうか? ここで、あなたがいま所有しているものを書き出してみましょう。
自宅、車、現金、クレジットカード、スマホ、パソコン、時計、財布、衣服、アクセサリー、眼鏡、本、冷蔵庫、テレビ、洗濯機、ワインセラー、ベッド、布団、机、椅子……
続いて質問です。
いま書き出したあなたが所有しているもので、「時間の経過とともに価値が上がるもの」または「お金を運んできてくれるもの」をピックアップしてみてください。
株式、不動産、ロレックスの時計、記念コイン、ヴィンテージワイン・ウイスキー、骨董品、美術品、仮想通貨、著作権、特許権……
1つ前に書いた「自分がいま所有しているもの」と比べて、「時間の経過とともに価値が上がるもの」「お金を運んできてくれるもの」は、極端に数が少なくなったのではないでしょうか? もしかすると、1つも書けなかった人がいるかもしれません。
でも、安心してください。最初から「価値が上がるもの」「お金を運んできてくれるもの」を所有している人は、ほとんどいません。これから、そういったものを所有していくようにすれば問題ないのです。
「お金の自由」を獲得するには、「収入」を増やすことがいちばんの近道に思うかもしれません。もちろん収入を増やすことは大切ですが、どれだけ収入が増えても「買った瞬間に価値が下がるもの」や「お金を奪っていくもの」ばかり所有していては、いつまでたっても労働から抜け出すことはできません。
ピケティが示した式からわかるように、「お金の自由」を得るためには「資産」を保有する必要があります。
お金を使って手に入れるべきは、目先の快楽を得るためのものではなく、将来お金を運んでくれる「資産」なのです。
●所有しているだけで【時間の経過とともに価値が上がるもの】
●所有しているだけで【お金を運んできてくれるもの】