1990年代当時、ウェブのどこにどんな情報があるのかを知るためには、人力で情報を分類して階層化した「ディレクトリ型」のポータルサイトを検索サービスとして使うことが主流でした。昔の「Yahoo!」などがディレクトリ型ポータルサイトにあたります。ディレクトリ型検索では、ウェブの情報が増えるにしたがって更新が追いつかなくなり、情報を広く送り届けることや、欲しい情報を見つけることが難しくなっていきました。
Web2.0では
ウェブ上で個と個がつながる
そこへ登場したのが「ロボット型」と呼ばれる、情報を自動的に収集する検索エンジンです。特に1998年に現れた「Google 検索」は、ウェブの情報をくまなく集約し、精度の高い検索結果を提供することができたため、一躍人気となりました。
ロボット型検索エンジンの登場により、ポータルサイトのディレクトリに掲載されなくても、多くの人が興味を持つようなコンテンツならば、それを探している人がアクセスして読めるという仕組みができました。それが今度は数多くのブログサービスを生み出し、さらには「Twitter」などのソーシャルネットワークサービス(SNS)へと発展していきます。このことは、ウェブ上で個と個がつながる仕組みをもたらしました。
また、インターネット回線の高速化、データ圧縮の効率化によって、やり取りされる情報は静的なものから動的なものへと変化していきます。さらには個別の情報だけでなく「アプリケーション」の提供もウェブで行えるようになりました。
2000年代後半には、YouTubeをはじめとしたサービスが登場し、特別なプラグインがなくてもブラウザだけで、本格的な動画が快適に視聴できるようになっていきます。またゲームのようなリアルタイム性とパフォーマンスが要求されるようなサービスもブラウザ上でできるようになっています。
これら「個と個のつながり」と「アプリケーションとして必要な技術のウェブでの実現」が、Web2.0という概念が促進される大きな要素となりました。