日米テンバガー投資術#16Photo:vgajic/gettyimages

本特集で紹介してきた「株価勝者」企業の事業モデルを分析すると、一段の成長を占う上で「IT人材」の獲得が焦点になるとの共通点が見えてきた。そこで特集『今こそチャンス!日米テンバガー投資術』(全16回)の最終回では、各企業のトップへのインタビューから、IT人材獲得戦線の最新状況を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

アクセンチュアに追随?
高待遇社員が爆増中のベイカレント

 過去5年の「株価勝者」のキーワードは、ずばり「デジタルトランスフォーメーション(DX)」。5年前比の東証上場企業の株価上昇率トップ10を見ると、そんな実相が浮かび上がってくる。

 何しろ、「IT×コンサルティング」の事業モデルを強みとするベイカレント・コンサルティング(1位)、ソフトウエアの品質保証を手掛けるSHIFT(3位)、国内SaaS(サービスとしてのソフトウエア)企業で時価総額トップのラクス(8位)といった面々が上位勢に君臨している。本特集では、市場で評価を高めてきたこれら有望企業のトップにインタビューを行った。

 そこで見えてきたのは、こうした企業が業績拡大とともに破竹の勢いで従業員数を伸ばしている事実。さらに、その核となるのが「IT人材」であることだ。

 しかも、これらの企業は、年収も大きく伸ばしてきたという特徴がある。例えば5年前から株価が約30倍になったベイカレント(詳細は本特集(#8『アクセンチュアを猛追、「IT×コンサル」で快進撃のベイカレント社長に聞く野望と死角』参照)では、2021年2月期までの5年で、平均年収が300万円ほどもアップしている(『平均年収が「5年で100万円超増えた」大企業ランキング【全60社】 2位アサヒ、1位は?』参照)。

 そんな同社からは、高待遇で知られるコンサル業界トップ級のアクセンチュア(『アクセンチュア常務が明かす急成長の秘密、「テック領域の全てで一番になりたい」』参照)に追い付こうとする気概すら感じられるのだ。

 次ページ以降、各社が社員数を爆増させ、待遇をアップし続ける理由を解き明かしていこう。